仮想通貨仲介業の新設を検討：利用者保護とイノベーションの調和を目指す

新たな「暗号資産・電子決済手段仲介業」とは

金融庁は、「暗号資産・電子決済手段仲介業（仮称）」を創設する方針を示しました。この業態は、利用者と暗号資産交換業者や電子決済手段取引業者の間で仲介を行う事業者を対象とします。例えば、ゲーム会社や通信会社が提供するアプリやアンホステッドウォレットでの取引仲介が該当します。

仲介業者は利用者の資産を預からないため、利用者に生じるリスクは低いとされます。そのため、仲介業に対しては既存の交換業者と同等の厳格な規制を課すのではなく、リスクに応じた規制を導入することで、事業のイノベーションを阻害しない仕組みを目指しています。

所属制と責任の明確化

新しい規制案では「所属制」を導入することが議論されています。これにより、仲介業者が所属する暗号資産交換業者が、利用者の損害発生時に賠償責任を負う仕組みが提案されています。これにより、利用者保護を強化しながらも、仲介業者の負担を軽減する狙いがあります。

ステーブルコイン規制の見直し

今回の会議では、法定通貨に連動するステーブルコインの運用規制も議題に上がりました。日本は既に厳格な規制を導入していますが、海外ではより柔軟な規制が進んでいます。この差異が日本企業の競争力低下につながる懸念から、裏付け資産の運用方法を見直す必要性が提起されています。

具体的には、国債や定期預金の組入比率を上限50%とする新たな基準が議論されており、国際的な動向を踏まえた柔軟な対応が求められています。

まとめ

仮想通貨市場の発展には、利用者保護と規制緩和のバランスが欠かせません。今回提案された「仲介業」やステーブルコインの規制見直しは、日本の金融分野におけるイノベーション促進と国際競争力向上に向けた重要なステップとなるでしょう。

（参考）仮想通貨仲介業の新設を検討　イノベーションと利用者保護の両立へ