ビットコインの下放れリスク高まる—鍵を握るのは米PCEの発表

今週のビットコイン相場：高値更新から一転して反落

12月14日から20日にかけてのビットコイン（BTC）対円相場は、トランプ次期米大統領による戦略的ビットコイン備蓄（SBR）の実現意欲表明を受け、週明けに急騰しました。BTCは一時1665万円まで上昇し、史上最高値を記録しました。しかし、米連邦公開市場委員会（FOMC）を控えた警戒感から反落し、その後も下値を模索する展開が続きました。

FOMCの影響と市場の反応

FOMCでは予想通り25bpの追加利下げが発表されましたが、インフレ予想や長期金利見通しが引き上げられたことで、市場はタカ派的と受け止められました。パウエルFRB議長の慎重な発言も嫌気され、BTC相場は急落。19日には一時1510万円周辺まで値を下げました。その後、米経済指標が底堅さを示したことや米株式市場の軟調さも相まって、BTC相場の上値は重いままとなっています。

来週の焦点：米PCEとBTCの行方

20日に発表予定の11月の米個人消費支出（PCE）価格指数が、今後のBTC相場にとって重要な分岐点となる可能性があります。市場ではインフレ加速が予想されていますが、予想を上回る結果となれば、BTCはさらなる下値を試す展開が予想されます。

現在、BTCは11月からの上昇チャネルの下限に位置しており、ここを下抜けた場合、失望感やロングポジションの解消による売り圧力で、さらに大きく値を崩すリスクがあります。オプション市場では9万ドル（約1412万円）が下値目処とされていますが、クリスマス休暇で流動性が低下する中、市場の動きは一層不透明になるでしょう。

年末に向けた相場の見通し

年末にかけてBTCが9万ドル周辺で着地するのか、それとも10万ドル（約1570万円）を維持するのかは、米PCEの結果次第と考えられます。市場の参加者は引き続き米国の経済指標やFRBの動向に注意を払いつつ、相場の変動に備える必要があります。

（参考）ビットコインは下放れを試す展開、来週は米PCEの結果次第か｜bitbankアナリスト寄稿