仮想通貨市場が急落、ビットコイン7万ドル台に

米国株式市場は10日、ダウ平均株価が前日比890ドル安の41,911ドル、ナスダック指数が4％下落し、17,468ポイントとなった。これを受け、日経平均株価も続落し、午前の取引で680円安の36,347円となった。

米中貿易摩擦の影響もあり、米国や日本の暗号資産関連株は急落。コインベースは17.5％安、マイクロストラテジーは16.6％安、メタプラネットも10.9％下落した。仮想通貨市場では、ビットコインが3.6％下落し、7万9,434ドルまで値を下げた。アルトコインも同様に軟調で、イーサリアムは9.1％、XRPは5.9％、ソラナは5.5％それぞれ下落した。

市場の不安定さの背景には、中国が米国からの農産品輸入に対する報復関税を発動したことや、トランプ大統領が年内の景気後退の可能性を否定しなかったことがある。さらに、トランプ政権が「相互関税」の方針を発表したものの、その詳細が不明なため、市場の不確実性が増している。

また、ホワイトハウス仮想通貨サミットで発表された戦略準備金の方針が現状維持にとどまったことも市場の失望を招いた。ビットコインの大規模な政府買い付けを期待していた投資家の間で売りが広がり、仮想通貨市場全体に強い下押し圧力がかかっている。

市場の動揺を受け、BitMEX創業者のアーサー・ヘイズ氏は、ビットコインは7万ドル付近で底打ちする可能性があると述べた。一方で、米国株式市場のさらなる急落や金融機関の経営危機が起こる可能性も指摘されており、主要中央銀行の金融緩和が次の市場回復の鍵となると見られている。

（参考）トランプ関税などの影響で仮想通貨市場暴落、ビットコイン7万ドル台に