米国ビットコイン需要低迷—コインベース指数12カ月ぶり低水準

コインベース指数の動向と市場の反応

コインベース・プレミアム指数は、米国のビットコイン需要を測る重要な指標として知られています。この指数は、米国の個人投資家が他国市場に比べてどれほど高い価格でビットコインを取引しているかを示すものです。12月31日、この指数は-0.23まで低下し、過去12カ月で最低水準を記録しました。同日、ビットコインの価格は一時9万1479ドルに下落しました。

アナリストのブラケスメシ氏は、「米国市場での売り圧力の増加が指数を押し下げた」と述べています。特に年末の低流動性市場が影響を与えたと指摘されており、これがさらなる価格調整を招く可能性があると警鐘を鳴らしています。

マクロ経済イベントの影響

仮想通貨市場は今後のマクロ経済イベントにも注目しています。1月20日に予定されているドナルド・トランプ次期大統領の就任式は、その一例です。一部のアナリストは、就任後に短期的な停滞が見られるものの、最終的には価格上昇が再開すると予測しています。

ビットゲット・リサーチのライアン・リー氏によれば、ビットコインは今後最大30%の価格調整を経た後に、上昇基調を取り戻す可能性があるとしています。

長期保有者と短期保有者の対照的な状況

市場では、長期保有者が利益確定に動く可能性が高まっており、それが売り圧力を強める要因とされています。ビットボのデータによると、長期保有者（155日以上保有）の実現価格は2万4298ドルで、現在価格の9万4820ドルでは約290%の利益率を享受できます。

一方で、短期保有者の平均コストベースは8万6753ドルであり、現在の価格での利益率は9.29%にとどまっています。この状況は、長期保有者が市場の主導権を握っていることを示唆しています。

仮想通貨市場は、売り圧力の継続とマクロ経済要因の影響を慎重に見極めながら、2024年を迎えようとしています。投資家は今後の動向に注視する必要があります。

（参考）コインベースプレミアム指数　12ヶ月ぶりの低水準に　ビットコインでの「売り圧力の高まり」を反映か