米当局、押収ビットコインの総額把握に課題

USMSは、2013年にFBIがシルクロードから押収した数十億ドル相当のビットコインを含む、法執行機関が押収した資産を管理しています。しかし、関係者によれば、現在の仮想通貨の保有額すら概算で把握することが困難な状況に陥っているとされています。

この問題は、米政府のデビッド・サックス仮想通貨特命官が提唱する「国家のビットコイン準備金」構想にも影響を及ぼす可能性があります。同構想は、押収したビットコインの売却を停止し、政府による購入の可能性を検討するものです。Wave Digital Assetsの共同創設者レス・ボルサイ氏は、ビットコインの備蓄にはフォークやエアドロップ、価格変動性など資産特性の理解が不可欠だと指摘しています。

さらに、2022年に監察総監室（OIG）が発表した報告書では、USMSが仮想通貨の管理や評価、処分に関する明確な方針を欠いており、一部のガイダンスに矛盾があることが指摘されました。特にブロックチェーンのフォークによる新たな資産の追跡措置が整備されていない点も問題視されています。

また、CoinDeskによると、USMSでは単一の従業員が小売口座を通じて資産の処分を管理している可能性があるといいます。Addx社のジョン・ミルワード最高執行責任者は、「多額の資産管理を任されているにもかかわらず、業務が上級職員に委ねられていないのは懸念される」とコメントしています。

（参考）米当局、保有ビットコイン総額把握できず＝報道