ライオットが5億ドル超のビットコイン購入—AI事業への可能性も

5億ドルを超えるビットコイン購入

12月13日、ライオット・プラットフォームズは規制当局への提出資料で、総額約5億1000万ドル相当のビットコインを新たに購入したと発表しました。この動きにより、同社の保有するビットコイン総額は約17億ドルに達しました。今回の大量購入は、同社がビットコインマイニング事業における主導的地位をさらに強固なものにする意図を反映しています。

AI事業転換の提案

同時期に報じられたのは、アクティビスト投資家のスター・ボード・バリューによるライオットへの「重要な持分」の取得です。同投資家は、ライオットが保有するビットコインマイニング設備を人工知能（AI）モデル向けに転用することを提案しました。ライオット側は「すべての株主に価値を創出することに尽力しており、建設的な対話を通じて目標達成を目指す」とコメントしています。

AI市場は近年、急速に成長しており、計算能力の需要が増加中です。この分野への参入は、ライオットにとって新たな収益源となる可能性が高いと考えられています。ヴァンエックの分析によれば、ビットコインマイナーがAI事業に参入した場合、業界全体の時価総額が約370億ドル増加する可能性があり、特にライオットは48億ドル以上の追加価値を得られると推定されています。

投資家からの評価と株価の動向

ライオットのように多額のビットコインを保有する企業は投資家から高く評価される傾向にあります。12月10日、JPモルガンのアナリストはライオットを含む複数のビットコインマイニング企業の目標株価を引き上げました。この変更は、各社が保有するビットコイン資産の価値を反映したものです。

アナリストは「これまでの評価モデルは4年間の収益機会に基づいていたが、現在は土地や電力資産の価値、さらにビットコイン保有によるプレミアムを評価に加味している」と説明しました。

ビットコイン市場の背景

ビットコイン価格は2020年以降大幅に上昇しており、12月初旬には1BTCあたり10万ドルを突破しました。この価格上昇に伴い、ビットコインを財務戦略の中核に据えた企業の株価も急騰しています。特に、マイクロストラテジーはこの戦略により2020年以降株価が約2500%上昇し、ほとんどの主要公開企業を凌駕するパフォーマンスを記録しています。

ライオットの今回のビットコイン購入とAI事業への可能性は、同社が仮想通貨市場と新興技術の交差点でいかにリーダーシップを発揮できるかを示す象徴的な事例と言えるでしょう。

（参考）仮想通貨マイニング企業ライオット　5億ドル以上のビットコインを購入