韓国政府、仮想通貨の国際取引監視を強化へ—犯罪抑止と投資家保護に向けた新規制を推進

韓国政府は、仮想通貨を使った国際取引における脱税や犯罪行為を防ぐため、監視体制を強化する方針を発表しました。新たな報告義務の導入や法改正を通じ、投資家保護や規制強化を図ります。

韓国政府は、仮想通貨を用いた国際取引に対する監視を強化し、脱税や犯罪行為を未然に防ぐ方針を発表しました。経済副首相の崔相穆（チェ・サンモク）氏が、ワシントンで開催されたG20会議でこの計画を表明しました。

韓国メディアによると、崔氏は、仮想通貨を含む国際取引を行う事業者に対し、新たに報告義務を導入する考えを示しました。彼は、「税金逃れや外国為替法違反などの防止を目的とした予防的な監視を進める」と述べ、仮想通貨を扱う事業者は、当局への事前登録と月次の取引報告が求められることになると説明しました。

現在、韓国の税関や税務当局にとって、仮想通貨を用いた国際取引は「盲点」となっており、犯罪者がこの盲点を悪用して犯罪収益の隠蔽や違法取引を行っていると指摘されています。韓国関税庁の報告では、2020年以降、デジタル資産に関連する外国為替犯罪が約12億ドルに上り、全体の81％を占めています。

政府は、新たな規則導入に先立ち、外国為替取引法の改正を計画しています。崔氏は、「仮想資産」と「仮想資産事業者」を新たに定義し、仮想資産を外国為替や外部支払手段とは異なる「第三のタイプ」として扱う準備を進めていると述べました。この改正は2025年前半に完了し、第2四半期までに新しい報告義務が適用される予定です。

また、韓国では仮想通貨投資家の保護を目的とした規制も強化されており、今年7月には「仮想資産保護法」が施行されました。この法律により、国内の仮想資産サービスプロバイダー（VASP）に対して、ユーザー資産の保護措置や定期的なリストの見直しが義務付けられました。

（参考）韓国　仮想通貨を使った国際取引の監視を強化へ＝経済閣僚が発言 | Cointelegraph | コインテレグラフ ジャパン