米国ビットコイン現物ETF、3月17日に410億円の資金純流入

ビットコイン現物ETFの資金フロー

米国で取引されるビットコイン現物ETFは、3月17日に約2.7億ドル（約410億円）の資金純流入を記録しました。これは2月5日以降で最大の流入額となります。最近では純流出が続いていたため、この大規模な純流入はビットコイン市場にとって重要な転換点と考えられます。

市場環境と投資家の注目点

最近の仮想通貨市場は、米国の仮想通貨政策への期待の剥落、関税措置、景気後退懸念、地政学的リスクなどにより下落基調が続いていました。多くの専門家は、市場反転の条件の一つとしてETFへの資金流入増加を挙げています。ビットコイン現物ETFの資金フローを週単位で見ると、先週までは5週連続で純流出が続いていました。今週は米連邦公開市場委員会（FOMC）の会合という大きなイベントもあり、ETFの資金フローに一段と注目が集まっています。

FOMCとは

FOMC（Federal Open Market Committee）は、米国の金融政策を決定する委員会であり、その会合は世界の投資家から注目されています。

専門家の見解

BTC Marketsの仮想通貨アナリストであるレイチェル・ルーカス氏は、「今回の資金フローは、ビットコイン価格の安定と機関投資家の関心の復活によって、投資家の自信が高まりつつあることを示唆している」と述べています。また、「四半期末に向けたポートフォリオの調整や、手数料が安価なETFへの需要の高まりなどが資金流入の要因である」と分析しています。一方で、「3月末に向けたポートフォリオ調整により、ビットコイン価格の変動（ボラティリティ）は継続する可能性があり、現物価格が弱い場合は、再びETFからの資金流出も起こりうる」と指摘しています。

イーサリアムの現物ETF

米国のイーサリアム（ETH）現物ETFの資金フローを見ると、3月4日の純流入を挟んで、2月20日から純流出が続いています。英国の大手銀行スタンダードチャータードは、イーサリアムの2025年末の価格予測を従来の1万ドル（約149万円）から4,000ドル（約60万円）へと大幅に下方修正しました。同行のデジタル資産調査部門グローバルヘッドであるジェフリー・ケンドリック氏は、レイヤー2ソリューション、特にコインベースが開発したBaseの台頭がイーサリアムのエコシステムから価値を奪っていると指摘しています。

まとめ

3月17日のビットコイン現物ETFへの大規模な資金流入は、市場の転換点として注目されています。今後の市場動向やFOMCの決定など、投資家は引き続き慎重な姿勢で市場を見守る必要があります。

（参考）米国のビットコイン現物ETF、17日に410億円の資金が純流入　2月5日以降で最大規模