イザカヤ編集部
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2024.07.02
仮想通貨
セルシウス(CEL)は、アメリカのセルシウスネットワーク社が発行、運営を行っている暗号資産であり、金融サービスのプラットフォームを提供しています。
セルシウスネットワーク社は資金繰りの悪化から2022年7月に破産申請を行い、現在は再建中であるものの、ネイティブトークンであるセルシウス(CEL)は、暗号資産取引所で取り扱われています。
この記事では、このようなセルシウス(CEL)の本来の特徴や破産申請の経緯、今後の動向について詳しく解説しています。
セルシウス(CEL)が気になっている人は、是非参考にしてください。
セルシウス(CEL)は、2017年に発明家として有名であったAlex Mashinsky氏と、テクノロジーの分野において著名であったDaniel Leon氏によって考案され、2018年にICOにて発行された暗号資産です。
セルシウス(CEL)は、ブロックチェーン上で実際の銀行のように暗号資産の預け入れ、借り入れができるなど、既存の銀行を超える金融サービスのプラットフォームの提供を目指していました。
2022年7月にセルシウス(CEL)を発行、運営しているセルシウスネットワーク社が破産申請を行いましたが、既に再建計画は裁判所の承認及び債権者の合意が得られています。
再建計画では、セルシウス(CEL)は2024年2月28日までに運営を終了しており、モバイルやウェブアプリも停止となっていますが、現在でも暗号資産取引所で取り引きが行われており、2024年5月30日時点の主な指標は、以下のとおりです。
通貨記号 | CEL |
---|---|
時価総額 | 約71億円 |
価格 | 181.46~211.57円 |
発行上限枚数 | 約3,720万枚 |
参考:CoinMarketCap Celsius(CEL)価格・チャート・時価総額
セルシウス(CEL)の価格はローンチ以降低迷していましたが、DeFi(分散型金融)が脚光を浴びるようになる2020年4月頃より急上昇しており、一時期は800円前後で取り引きされていました。
2021年後半期からは下落に転じ、セルシウス(CEL)の引き出しや交換、送金の凍結を行った2022年6月には50円台まで下落しています。
その後一時的な上昇などあったものの、再建計画の承認や債権者への支払いの確実性が不透明であった2024年3月頃までは15~40円で推移しています。
現在再建中のセルシウス(CEL)であるため、再建完了後の展開は明確にされていませんが、本来のセルシウス(CEL)には以下のような特徴があります。
分散型レンディングサービスで増やせる
CelPayでの決済も可能
セキュリティが高い
元々セルシウス(CEL)は、既存の金融サービスにおける課題解消を目的としており、銀行口座を持たない人でも利用できるなど、銀行を超える金融サービスの提供を目指していました。
現在セルシウスの公式サイトでは、破産に関する掲載のみとなっているため、特徴のほとんどを確認できなくなっています。
再建が進めば、その後の展開なども発信される可能性があるため、公式サイトはこまめにチェックしましょう。
セルシウスの最大の特徴は、分散型レンディングサービスで暗号資産を増やせる点です。
分散型レンディングサービスとは、暗号資産の貸し付け及び借り入れができる仕組みのことであり、ブロックチェーンを活用したDeFiサービスの1つです。
貸し手は、保有している暗号資産の預け入れにより利息報酬が得られ、借り手は担保の提供により従来の銀行のような審査が行われず、スムーズに借り入れができます。
セルシウスの分散型レンディングサービスは、セルシウスが提供しているプラットフォームを介して行われるため、安全で迅速な取り引きができます。
さらにセルシウスの分散型レンディングサービスでは、暗号資産によっては受け取れる利息報酬が20%近くであるなど高いため、暗号資産の預け先として利用できます。
一方で、借り入れで支払う利息は高くても数%と低くなっていますが、一定額以上の担保提供が必要です。
従来の金融機関では、預金金利よりも貸付金利のほうが低い「逆鞘」となるケースはまずありません。
これに対し、セルシウスの主な貸付先は大手金融機関などであるため、元本回収の確実性は高く、結果としてその利息収入をユーザーに還元できる仕組みとなっています。
セルシウスでは、送金や決済が簡単にできる決済サービス「CelPay」があります。
CelPayは日本では使用できませんが、決済金額に関わらず手数料無料で利用できるため、買い物や知人への送金などの際に便利です。。
一方で再建計画によるとセルシウスではモバイルやウェブアプリを停止しており、関連しているCelPayも使用できない可能性があります。
再建計画が順調に進んだ場合は、CelPayについても何らかの発表があるかもしれません。
セルシウスでは、暗号資産のウォレットやカストディ(保管)サービスを提供している企業のBitGoと提携しています。
BitGoはセキュリティの高さで有名であり、今までにハッキングの被害がないといわれています。
さらにBitGoでは、ハッキング被害にあった際の保険まで取り扱っており、安心かつ安全なカストディサービスを提供しています。
BitGoがサービスを提供している暗号資産などの例は、以下のとおりです。
セルシウス
リップル(XRP)
ネクソ(NEXO)
SBIホールディングス
暗号資産ではハッキングなどのリスクが常に伴うため、セキュリティの高さはユーザーにとっては大きな安心材料となります。
セルシウスでは、コンセンサスアルゴリズムにPoSを採用しています。
コンセンサスアルゴリズムとは、ブロックチェーンでの取り引きや契約内容が正しいものであると合意(コンセンサス)する方法(アルゴリズム)のことです。
コンセンサスアルゴリズムは、セルシウスが採用しているPoS以外にも複数の方法があり、代表的なものと採用している暗号資産の例は以下のとおりです。
コンセンサスアルゴリズム名 | 概要 | 採用している暗号資産例 |
---|---|---|
PoW(Proof of Work) | ・承認作業による合意方法 | ビットコイン(BTC) |
PoS(Proof of Stake) | ・保有量が多いほど承認に対する役割が与えられる確率が高くなる | イーサリアム(ETH) |
PoA(Proof of Authority) | ・権威や評判、アイデンティティによって承認者を投票により選出 | ヴィチェーン(VET) |
PoC(Proof of Consensus) | ・承認作業を行うものの80%以上が承認すれば取り引きができる | リップル(XRP) |
上記以外にも、PoSの発展形ともいわれるDPoS、PoIなどもあります。
なおセルシウスのコンセンサスアルゴリズムはPoSですが、セルシウスネットワーク社は再建計画に基づき、ビットコインのマイニング事業に特化した別会社を設立しています。
セルシウス(CEL)は、2022年7月に米連邦破産法第11条の適用を申請しました。
米連邦破産法第11条とは、日本における民事再生法のように負債を減らしながら企業を再建する制度のことであるため、再建が着実に進めばこれまでのような金融サービスの提供が再開される可能性はあります。
言い換えれば、再建の進捗具合が今後のセルシウスを大きく左右するということです。
テラ(Terra)やルナ(Luna)などの暗号資産が相次いで破綻した2022年、これらの影響を受けてセルシウスでも引き出しが相次いだため、セルシウスネットワーク社は2022年6月に引き出しや交換、送金を凍結し、翌7月には米連邦破産法第11条の適用を申請しました。
破産申請時のセルシウスネットワーク社の赤字額は、11億9,000万ドル(約1,650億円)といわれていますが、当局の調査では既に資金が不足している状態でありながら、投資家に対して虚偽の情報を公表したと指摘されています。
さらにセルシウスネットワーク社の債務超過の隠ぺい目的で、セルシウスの価格を不当に釣り上げた疑いもあり、CEOであるAlexMashinsky氏は詐欺罪などの容疑で逮捕されています。
なお、AlexMashinsky氏は容疑を否認しています。
セルシウスネットワーク社の再建計画は裁判所の承認及び債権者の合意を得ており、当面は新たに設立した別会社でビットコインのマイニング事業に特化する一方で、保有している暗号資産を資金化するなどで債権者への支払いに充てる予定です。
既に、イーサリアムなどセルシウスネットワーク社が保有していた一部の暗号資産は引き出されており、債権者の支払いに充てられています。
一方で逮捕されたAlex Mashinsky氏は、保釈金4,000万ドル(約5億8,000万円)で保釈されており、2024年9月に裁判が行われる予定です。
セルシウスネットワーク社は現在再建中ですが、裁判所の承認がおり、債権者の支払い開始によりセルシウスの価格がわずかですが上昇しました。
今後、再建が順調に進めば、セルシウスの価格上昇がさらに期待できます。
一方で、2024年9月に行われるAlex Mashinsky氏の裁判の行方も少なからず価格に影響するでしょう。
破産申請からひと段落し、すぐにセルシウスの価格に影響を及ぼすような要因は見当たりませんが、再建の進捗次第でどのようにも変動する可能性があるため、予断を許さない状態です。
従ってセルシウス(CEL)は、長期保有を考えている人向けの暗号資産といえます。
セルシウスは、国内の暗号資産取引所では購入できないため、海外の暗号資産取引所で購入します。
セルシウスを取り扱っている主な海外の暗号資産取引所は、以下のとおりです。
Bybit
Gate.io
OKX(OKEx)
Gate.ioやOKX(OKEx)などは、クレジットカードでも購入できますが、Bybitはテザー(USDT)のみ購入できます。
事前に各公式サイトで確認のうえ、購入可否及び可能な通貨ペアなどを確認しましょう。
なお、海外の暗号資産取引所はその国での法律が適用されるため、国内の暗号資産取引所と違い、万が一トラブルが起きた場合保障されない可能性があります。
セルシウス(CEL)は、セルシウスネットワーク社が発行、運営している暗号資産であり、ブロックチェーンを活用した金融サービスのプラットフォームを提供しています。
暗号資産の預け入れによって利息報酬を得られ、担保の差し入れによって従来の銀行のように融資の審査なしで借り入れできる分散型レンディングサービスは、セルシウス(CEL)の大きな特徴です。
セルシウス(CEL)の分散型レンディングサービスは、20%近くの利息報酬が得られるため注目を集めていましたが、2022年7月に米連邦破産法第11条適用の申請を行いました。
CEOであるAlex Mashinsky氏は詐欺罪などの容疑で逮捕されましたが、再建計画は裁判所の承認及び債権者の合意が得られたため、2024年より債権者への支払いが始まっています。
再建計画では、設立した別会社でのビットコインのマイニング事業による収益及びセルシウスネットワーク社が保有している暗号資産の資金化により、債権者への支払いを行っています。
先行きが不透明な状態が続いており、セルシウスの価格が大きく変動する要因はありませんが、再建が順調に進捗すれば上昇に転じる可能性はあります。
条件付きながら将来的には上昇する可能性があるため、長期保有を考えている人は、セルシウス(CEL)を是非検討してみてください。
なお、セルシウス(CEL)は一部の海外の暗号資産取引所で取り扱っていますが、日本の法律が適用されないため、慎重に購入しましょう。
イザカヤ編集部
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