仮想通貨価格上昇の兆し？流動性増加を分析

ステーブルコインの増加が価格上昇を示唆

CryptoQuantは、2023年11月の米大統領選以降、特にUSDCの時価総額が増加し、その流通量が拡大していることを指摘しました。過去のデータを基に、ステーブルコインの流通量が増加すると仮想通貨の価格が上昇しやすい傾向があるとしています。

ステーブルコインは価格が安定するよう設計された暗号資産で、法定通貨や仮想通貨に価値を裏付けられたものや、アルゴリズムで価格を調整するものなど、さまざまな種類が存在します。

CryptoQuantのレポートによると、USDTの市場動向にも変化が見られ、中央集権型取引所に預けられている金額が過去最高水準に達しているとのことです。11月初旬には約305億ドル（約4.7兆円）だった預け入れ額が、レポート作成時点では430億ドル（約6.7兆円）に増加しました。

また、米ドルに連動するステーブルコイン全体の時価総額も2,040億ドル（約32兆円）に達し、過去最高水準にあると報告されています。

他の分析機関の見解

1月31日には、仮想通貨取引サービスを提供するCEX.IOもステーブルコイン市場に関するレポートを発表しました。同社は2024年を振り返り、ステーブルコインの供給量が1年間で59%以上増加し、米ドル供給量の1%に達したことを指摘しました。さらに、2024年のステーブルコインによる送金ボリュームが27兆ドル（約4,188兆円）を超え、ビザやマスターカードの合計額を7.68%上回ったことも報告されています。

また、ブロックチェーン上での流通状況も変化しており、イーサリアム（ETH）やトロン（TRX）のシェアが減少する一方で、ソラナ（SOL）、アービトラム（ARB）、ベース、アプトス（APT）などのネットワークへの分散が進んでいると分析されています。

CEX.IOは、ステーブルコインが仮想通貨市場の基盤としての役割を強化し続けており、2025年以降も成長が見込まれると予測。特にビットコインの半減期後には取引量が増える可能性が高いとしています。さらに、米国をはじめとする各国の規制緩和がステーブルコイン市場の拡大を後押しする可能性も指摘されています。

このように、複数の分析機関がステーブルコイン市場の成長と、それに伴う仮想通貨価格の上昇について注目しており、今後の動向が期待されます。

（参考）仮想通貨相場上昇のシグナルか　CryptoQuantがステーブルコインの流動性増加を指摘