ロシア副首相、仮想通貨マイニングに余剰電力活用を提案

極東地域の電力計画とマイニングの活用

ロシアのユーリ・トルトネフ副首相は、極東地域の電力産業発展に関する会議で、余剰電力を仮想通貨マイニングに活用することを提案しました。極東地域の電力消費は今後18年間で全国平均を上回る成長が見込まれていますが、既存の投資プロジェクトに必要な電力の供給には課題があると指摘されています。

トルトネフ氏は、新たなエネルギー供給計画には、投資プロジェクトの需要だけでなく、余剰電力の創出も考慮すべきだと強調しました。彼は「予備電力を確保するのは良い考えだが、それを仮想通貨マイニングに活用すればコストを抑えられる」と述べ、ロシア極東全域での実施を提案しました。

エネルギー省の支援と政府の規制強化

ロシアのツィヴィレフ・エネルギー大臣も、2024年の東方経済フォーラムで、合法的な仮想通貨マイナーには余剰電力を供給する意向を示しました。発電所の稼働率向上につながるため、電力会社や政府の税収増加にも寄与するとしています。ただし、対象は税金を支払う合法的なマイナーに限定されるとの方針です。

また、ロシア政府は2024年11月から仮想通貨マイニングを条件付きで合法化し、マイナーには事業登録と収益報告が義務付けられました。2025年からは特定地域でのマイニング禁止や、冬季のエネルギー需要が高まる期間（11月15日～3月15日）の活動制限が導入されます。さらに、エネルギー省はマイニング機器の登録制度を開始し、業界の透明性向上を図っています。

税務当局もオンライン報告システムを導入し、マイナーは毎月20日までに採掘した通貨の報告を義務付けられました。こうした新制度により、仮想通貨マイニングの管理強化が進むとみられています。

（参考）ロシア副首相、仮想通貨マイニングに極東の余剰電力確保を提案