FTX、2月18日より債権者への返済開始へ

FTXの返済計画、総額最大2.5兆円に

FTXの破綻後、同社は顧客への資金返還を進めており、今回の返済計画では総額140〜160億ドル（約2.2〜2.5兆円）が債権者に支払われる見通しです。現金での弁済となるため、返済を受けた債権者が仮想通貨を再び購入する可能性があり、市場にとっては好材料と考えられています。

PwCが担当するFTXの清算業務によれば、「コンビニエンス・クラス」以外の債権者への返済は、今年4月から6月頃に実施される予定です。個人や機関投資家を含むその他の債権者への返済手続きは、BitGoやクラーケンが担当し、返済は米ドルで行われる見込みです。

既に返済通知を受け取った債権者の証言によると、「コンビニエンス・クラス」に該当する債権者には、認定請求額に加えて2022年11月以降の年利9%が支払われる予定です。

昨年の「K33リサーチ」の報告では、返済資金のうち約24億ドル（約3,800億円）が仮想通貨市場に流入する可能性があると指摘されています。ただし、一斉に再投資が行われるわけではないため、市場への影響は限定的であると見られています。

資産回収の一環としてK5 Globalと和解

FTXは債権者への返済資金を確保するため、資産回収の取り組みを強化しており、1月31日にはベンチャーキャピタル「K5 Global」との訴訟で和解に達しました。

同社は、FTXからK5に不正流用されたとされる7億ドル（約1,080億円）の投資資金の回収を求めていました。訴状によると、FTXのサム・バンクマン・フリード前CEOはK5へ資金を移し、破産回避を試みたとされています。

和解条件の詳細は公表されていませんが、FTXの破産処理を担当するジョン・レイ暫定CEOは、「K5との和解はFTXの資産回収にとって重要な一歩であり、ポートフォリオの価値を高めることにつながる」とコメントしています。

FTXの再建計画は1月3日に正式に発効しており、今後の返済スケジュールが注目されています。

（参考）FTX、今月下旬より債権者への返済開始予定