ビットコイン上昇を後押しするクジラの動き

ビットコイン（BTC）の価格は、4月初旬に7万5000ドルを下回ったものの、その後回復基調を強め、現在は9万5000ドル近辺で推移しています。この上昇の背景には、大口投資家である「クジラ」の活発な買い集めが影響しているとみられています。

ブロックチェーン分析企業Glassnodeの指標「Accumulation Trend Score」によると、クジラによるビットコイン購入の勢いが明確に示されています。このスコアは、ネットワーク上でビットコインを積極的に買い集めているエンティティの割合を保有量ごとに可視化するもので、値が1に近いほど購入圧力が強いことを示します。

4月24日時点では、1万BTC以上を保有するウォレットのスコアが0.90に達しており、また1000BTCから1万BTCを持つウォレットでは0.7、小規模なウォレットでも0.5を記録しました。Glassnodeはこれについて「現在の市場局面では大口投資家が買いを進めている」とSNSプラットフォームXにて述べています。

さらに、オンチェーンデータ企業CryptoQuantによれば、中央集権型取引所（CEX）からのビットコイン流出量が100日移動平均ベースで過去2年間の最高水準に達したと報告されています。この現象についてCryptoQuantは「過去の傾向から見ても、投資家による資産再蓄積の兆候と考えられる」と分析しています。

取引所からビットコインが流出するという動きは、投資家が自らビットコインを管理・保管する、いわゆるセルフカストディへのシフトを示しており、一般的には長期保有意欲の高まりを意味すると解釈されています。こうした流れが、ビットコイン市場の強気基調を支える重要な要素となっているようです。

（参考）クジラが勢いを回復、ビットコイン上昇を支える：オンチェーンデータ