米国、ビットコイン超大国への道を宣言

ホワイトハウスは9日、米国がビットコイン超大国となる方針を再確認する声明を発表しました。これに先立ち、トランプ大統領は6日にビットコイン準備金を創設する大統領令に署名しており、政府のビットコイン保有戦略に関心が集まっています。

この大統領令では、米国当局が押収したビットコインを売却せず保有し続ける方針が示されました。しかし、新規購入を期待していた一部の仮想通貨支持者にとっては予想外の内容となりました。現在押収されているビットコインの多くは、2022年のBitfinexハッキング事件に関連するものであり、その返還の可否も議論されています。

また、財務長官と商務長官には、新たにビットコインを取得するための戦略を策定する権限が付与されました。ただし、その方法としては「予算中立的であり、納税者に負担をかけないこと」が条件とされています。市場では、ゴールド準備の一部を売却してビットコインを購入する案が提案されていますが、ホワイトハウスのデビッド・サックスAI・仮想通貨特命官は「現時点で議論されていない」と明言しています。

さらに、トランプ政権は仮想通貨業界の発展を加速させるため、デジタル資産関連法案を8月までに可決することを目指しています。先週開催された仮想通貨サミットでは、トランプ氏がバイデン前政権の仮想通貨規制を批判し、新たな法整備を進める意向を表明しました。このサミットには、コインベースのブライアン・アームストロング氏やマイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏など業界の著名人が参加し、今後の展開に期待を寄せています。

トランプ政権下では、米証券取引委員会（SEC）が仮想通貨企業への訴訟を一時停止し、規制の明確化に向けた取り組みを進めています。こうした動きにより、米国がビットコインの中心地としての地位を確立できるか、今後の政策に注目が集まります。

（参考）「米国はビットコイン超大国になる」ホワイトハウス宣言