米国の仮想通貨規制に新たな展開：ヒル議員が推進役に

仮想通貨規制法案、2025年に向けて優先事項に

米国下院金融サービス委員会の新委員長に選出されたフレンチ・ヒル議員は、2025年に仮想通貨関連の規制法案を優先的に進める計画を明らかにしました。ヒル氏は、これまでも仮想通貨市場の発展を支持しており、規制の明確化が技術革新を促進すると主張しています。この動きは、米国が暗号資産分野で国際競争力を高めるための一歩となるか注目されています。

仮想通貨市場への影響を見据えた規制整備へ

米国議会で12月12日、フレンチ・ヒル下院議員が金融サービス委員会の委員長に就任しました。ヒル氏は、デジタル資産の規制構造について公平かつ実用的な枠組みを築くことを目指すとし、2025年を見据えた法案策定を優先すると語っています。

「現在の規制環境では、SEC（米証券取引委員会）による法的執行に依存するのみで、ルールが欠如しています。これではWeb3やブロックチェーンの革新を促進するには不十分です」とヒル氏は述べ、持続可能な規制枠組みの必要性を強調しました。

さらに、ヒル氏はトランプ新政権が掲げる初期政策の一環として、ドル建てステーブルコインや仮想通貨規制の法案成立を推進する意向を示しました。これには、SECとCFTC（米商品先物取引委員会）の協力による包括的な規制法案「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法（FIT21）」が含まれます。同法案は、規制の不確実性を解消し、米国の技術進展を支えることを目的としています。

規制明確化で広がるステーブルコインの可能性

仮想通貨市場で重要な役割を担うステーブルコインについても規制が進む見込みです。「決済ステーブルコインの明確化に関する法案」は、DeFi（分散型金融）分野における利用促進や大手企業の市場参入を後押しすることが期待されています。ステーブルコイン規制が明確化されれば、市場の信頼性が向上し、新たな投資機会を生み出す可能性があるとされています。

業界をリードする新たな委員長の誕生

仮想通貨規制に前向きなヒル氏の委員長就任は、業界にとって大きな前進となるでしょう。下院金融サービス委員会は、米国の経済や金融政策をリードする重要な役割を担っており、今回の動きは仮想通貨業界に新たな方向性を示しています。

また、シンシア・ルミス議員が提出した「2024年ビットコイン法」について、ヒル氏は慎重な姿勢を示しつつも、議論の重要性を認めています。法案成立がもたらす影響については引き続き注視されるでしょう。

仮想通貨規制に関する議論が活発化する中、米国がこの分野で国際的リーダーシップを発揮できるかが問われています。

（参考）米下院金融サービス委員長、2025年に仮想通貨法案を優先の計画