イザカヤ編集部
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2025.03.07
仮想通貨
ビットコインの半減期とは、以後貰える報酬が従来の半分となるイベントのことです。
ビットコインでは、取り引きが記録されているブロックを時系列に繋げたブロックチェーンで管理を行っています。
ブロックチェーンは、全ての取り引きを全員で共有できる分散型台帳とも呼ばれており、改ざん防止などの効果があるため、他の暗号資産でも利用されているシステムです。
この取り引きのブロック生成のことをマイニングと呼び、マイニングを行う人をマイナーと呼びます。
ビットコインでは、マイニングに伴う複雑な計算処理を一番早く終えたマイナーに対し、報酬としてブロック生成の権利とビットコインが支払われています。
この報酬として受け取れるビットコインが半減するイベントが、半減期です。
ビットコインの4回目の半減期は2024年4月20日に発生しており、マイニングによる報酬は1ブロック当たり6.25BTCから3.125BTCとなっています。
ビットコインの半減期は、取り引きの記録が21万ブロック生成されるたびに発生するように定められています。
ビットコインでは、ブロック生成を伴うマイニングには複雑な計算をしなければならないため、21万ブロック生成されるまでに相当期間が必要です。
基本的にマイニングの複雑な計算は、10分程度で完了するように難易度が設定されていますが、実際にかかる時間はブロックによって異なります。
そこでビットコインでは、2,016ブロックごとのマイニング難易度の調整によってマイニングにかかる時間をコントロールしています。
1時間及び1日に生成されるおおよそのブロック数は、以下のとおりです。
1時間当たり生成されるブロック数:1時間÷10分/ブロック=6ブロック
1日当たり生成されるブロック数:6ブロック/時間×24時間=144ブロック
従って21万ブロック生成されるまでの必要日数は、以下のとおりです。
210,000ブロック÷144ブロック/日≒1,458.3日
1,458.3÷365日=3.99年
上記のとおり、21万ブロックが生成されるまでにかかる年数は、おおよそ4年となります。
従って、ビットコインの5回目の半減期は、2028年であると推測できます。
ビットコインのホワイトペーパーには半減期についての記載はなく、プログラム上に21万ブロックごとに半減されるとコメントがあるのみです。
従って、ビットコインに半減期がある正確な理由は判明していませんが、価値の上昇が目的とされています。
ビットコインなどブロックチェーンによる分散型の暗号資産は、ドルや円などの法定通貨のような価値をコントロールする中央銀行などは存在しないため、自動的に価値が上昇する仕組みがなければなりません。
ビットコインは金をモデルに開発されたといわれており、発行上限枚数が2,100万枚に設定されています。
そして、金の採掘量減少に伴う希少価値の上昇をビットコインでも作り出す目的で設けられたのが、半減期です。
つまりビットコインでは、発行上限枚数の設定及び半減期での新規発行枚数の減少によって希少価値の上昇を行っています。
ビットコインは既に1,900万枚が発行されており、今後も半減期による新規発行枚数はさらに減少するため、継続的な希少価値による価格の上昇が期待されています。
ビットコインでは発行上限枚数を設定や半減期によって希少価値の上昇させていますが、暗号資産の中には半減期がないものもあります。
半減期がない代表的な暗号資産は、以下のとおりです。
イーサリアム
リップル
イーサリアムとは、ビットコインの特徴であるブロックチェーンを発展させた分散型アプリケーションや、スマートコントラクトの実行プラットフォームを目的として開発された暗号資産のことです。
イーサリアムでは、2022年まではビットコインと同じくブロック生成に複雑な計算処理が必要なプルーフ・オブ・ワーク(POW)方式によって、新規のイーサリアムを発行していました。
さらにイーサリアムはビットコインに次いで時価総額が2位である暗号資産ですが、発行上限枚数が設定されておらず、半減期もありませんでした。
従って以前のイーサリアムでは、無制限に新規発行が可能であり、インフレの可能性が指摘されていました。
しかし現在のイーサリアムは、保有によってブロック生成の権利及び報酬受け取りの権利があるプルーフ・オブ・ステークスに移行しており、1年間での新規発行量を制限しています。
さらにイーサリアムでは、トランザクションやプログラムの処理の際に発生するガス代といわれる手数料の一部がバーンされる仕組みを導入しています。
バーンとは、取り引きなど流通に使用できない状態にすることであり、焼却の意味です。
つまりイーサリアムでは半減期ではなく、新規発行量を制限するとともにバーンによる流通量減少で、価値の維持向上を行っています。
一方で、送金や決済に特化した暗号資産であるリップルにも半減期がありません。
リップルは、ビットコインやイーサリアムと異なり、リップル社が管理運営している中央集権型の暗号資産です。
リップルの発行上限枚数である1,000億枚は既に発行済みであり、新規発行される予定はありません。
さらに発行済のリップルのうち、一定割合をリップル社と創業者が保有しているため、ビットコインやイーサリアムのように新規発行によるインフレリスクがありません。
一方でリップルでは国際送金システムを利用するたびに、微量のリップルが消失する仕組みであるため、長期的には希少価値の上昇が見込めます。
イーサリアムやリップルのように、半減期ではない方法によって、価値の維持や上昇させる仕組みを導入している暗号資産もあります。
ビットコインは2024年4年に4回目の半減期を迎えており、報酬が6.25BTCから3.125BTCに減少しました。
過去3回では、半減期の1年後から1年半後にかけて大幅な値上がりが起きており、今回の半減期でも同様に価格が上昇するとみられています。
一方でビットコインの価格は半減期に関わらず上昇傾向にあり、過去3回の半減期は全て暗号資産の取り巻く環境が大きく異なっており、半減期が価格に与える影響は小さいとみる考えもあります。
さらにビットコインの半減期以降の価格変動は、アメリカの金融緩和策による影響も指摘されています。
過去の半減期前後の値動きについて、詳しく見ていきます。
ビットコインにおける半減期の概要は、以下のとおりです。
回数 | 発生日 | 半減期以降のマイニング報酬 |
---|---|---|
1回目 | 2012年11月28日 | 25BTC |
2回目 | 2016年7月19日 | 12.5BTC |
3回目 | 2020年5月12日 | 6.25BTC |
4回目 | 2024年4月20日 | 3.125BTC |
2012年11月28日に発生した1回目の半減期によって、マイニング報酬は50BTCから25BTCに減少しています。
1回目の半減期前後はビットコインの認知度も高くなかったため、当時の最安値は1BTC=12ドルでした。
メディア等で取り上げられる機会が増えるにつれて価格は上昇し、1年後の2013年11月には最高値で1BTC=1,150ドルまで上昇しています。
急騰したビットコインですが、その後は大規模のハッキング事件をきっかけとしたマウントゴックスの破綻などがあり、2015年には1BTC=200ドル程度まで下落しています。
次いで2回目の半減期は2016年7月29日に発生し、マイニング報酬は25BTCから12.5BTCに減少しています。
当時は既に暗号資産の認知度が高くなっており、日本で暗号資産取引所のテレビCMが流れるようになった頃です。
さらに当時は、暗号資産発行による資金調達であるイニシャル・コイン・オファリング(ICO)により、ビットコイン以外のアルトコインも上昇傾向にありました。
ビットコインの価格も上昇傾向にあり、2回目の半減期を迎えた2016年7月の安値は600ドル程度でしたが、2017年7月には3,000ドル近くまで上昇しています。
さらに2017年12月には20,000ドル付近まで急騰しましたが、複数のハッキング事件をきっかけとした金融庁の規制強化により、翌年の2018年には価格は3,000ドル程度まで下落しています。
マイニング報酬が12.5BTCから6.25BTCに減少した3回目の半減期は、2020年5月12日に発生しました。
当時は世界的に大規模な金融緩和が実施されたため、大量の資金が暗号資産へ流入した時期です。
分散型金融(DeFi)やノンファンジブルトークン(NFT)などが流行するなど、暗号資産を取り巻く環境も変化していた頃です。
半減期を迎えた2020年5月頃のビットコインの価格は1BTC=10,000ドル前後で推移していましたが、2021年には急騰し1BTC=60,000ドルを超えるほどになっています。
ここまで価格が高騰した要因の1つとして、アメリカ政府のビットコイン先物ETF承認が挙げられます。
しかし2022年には世界各国が大規模な金融緩和から金融引き締めへシフトチェンジしていったため、ビットコインの価格も急落し、1BTC=20,000ドルまで下落しています。
このように過去3回の半減期は、それぞれ暗号資産を取り巻く環境や世界情勢などが異なるため一概にはいえないものの、半減期の1年から1年半後に急騰と急落が起きています。
一方で2024年4月20日に迎えた4回目の半減期は、過去3回の半減期の価格変動と様相が異なります。
半減期前の2024年1月では1BTC=約44,000ドルでしたが、直前の3月には1BTC=70,000ドルに迫る勢いで急騰しました。
そして半減期以降は、1BTC=60,000から65,000ドルの間で比較的安定して推移しています。
半減期を迎える前にビットコインが急騰した要因として、2022年より行われていた金融引き締めが一段落し、世界各国が金融緩和に再度シフトチェンジしている影響が考えられます。
2024年9月には米連邦準備理事会(FRB)も利下げを発表したため、今後も価格が上昇する可能性があります。
ビットコインは、半減期の1年から1年半後に急騰や急落が起きていますが、要因が不明確であるため、タイミングを計った投資は非常に困難です。
つまり、まとまった資金でビットコインを一括購入する投資方法は、リスクが高いためおすすめできません。
従って、定期的に一定額のビットコインを購入するドルコスト平均法を活用しましょう。
ドルコスト平均法とは、定期的に一定額を購入する投資方法であり、購入タイミングの分散によりリスクが軽減されます。
例えばビットコインを一括で30万円分購入する場合と、毎月50,000円を6ヶ月購入する場合の違いは以下のとおりです。
回数 | レート | 30万円分一括での購入できる量 | 毎月5万円を6ヶ月分割で購入できる量 |
---|---|---|---|
1回目 | 1BTC=10,076,191円 | 0.02977BTC | 0.00496BTC |
2回目 | 1BTC=10,259,078円 | – | 0.00487BTC |
3回目 | 1BTC=9,694,922円 | – | 0.00515BTC |
4回目 | 1BTC=10,426,610円 | – | 0.00479BTC |
5回目 | 1BTC=9,201,783円 | – | 0.00543BTC |
6回目 | 1BTC=8,631,174円 | – | 0.00579BTC |
保有BTC | – | 0.02977BTC | 0.03089BTC |
上記の例では、一括購入よりもドルコスト平均法のほうが保有BTCは多くなっています。
従って同じレートで売却した場合も、以下のとおりドルコスト平均法のほうが利益が多くなっています。
売却時レート | 30万円分一括購入の場合の損益 | 毎月5万円を6ヶ月分割で購入できる量 |
---|---|---|
1BTC=9,853,815 | 6,652円の損失9,853,815×0.02977BTC=293,348円 | 4,384円の利益9,853,815×0.03089BTC=304,384円 |
上記の例はドルコスト平均法のほうが利益が大きくなっていますが、相場によっては一括購入のほうが利益が大きくなる場合もあります。
さらにドルコスト平均法は、マイナスとなるリスクを完全に排除できませんが、大幅にリスクを軽減できる投資方法です。
マイニングに伴い複雑な計算が必要となるビットコインでは、以降のマイニング報酬が減少する半減期を、2024年4月20日に迎えました。
ビットコインの半減期は、ブロック生成が21万を超える度に発生しているため、4年に1度発生する計算です。
ビットコインでは発行上限枚数が2,100万枚に決まっているため、半減期によって希少価値が上昇する仕組みとなっています。
過去3回の半減期では、1年から1年半後に急騰や急落が起きているため、今回の半減期でも同様の価格変動の可能性が高いです。
このようにビットコインなど将来の価格変動が不透明である場合は、毎月一定日に一定額を購入するドル平均法による投資がリスクを抑えられます。
次回の半減期は2028年であり、さらにその後も半減期は4年に1度発生する可能性が高いため、長期間では上昇傾向にあります。
ドルコスト平均法を活用し、リスクを軽減させながら資産形成をしていきましょう。
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