ビットコイン10万ドル視野、貿易摩擦緩和が追い風に

国内大手取引所bitbankのアナリスト、長谷川友哉氏は、最新の週次レポートにおいて、ビットコイン（BTC）の円建て相場が堅調に推移していると報告しました。25日正午時点で、BTCはおよそ1340万円付近で取引されている状況です。

週初には、トランプ前大統領によるパウエルFRB議長への解任要求が伝わると、ドル売りが急速に進行しました。この動きを受け、通貨への信認低下懸念からビットコインの買いが強まり、21日には1250万円台を突破する動きが見られました。

さらに22日には、米財務長官の発言により米中貿易摩擦のエスカレーション懸念が後退。加えて、ソフトバンクなどが支援するBTC投資会社設立の報道が追い風となり、相場は1300万円台を回復しました。その後は材料待ちムードが強まり、一時1310万円台まで水準を切り下げる場面もありましたが、トランプ氏による交渉進展の主張や米連銀幹部による早期利下げ示唆が支援材料となり、再び1350万円を目指す展開に戻っています。

ドル建てビットコイン相場においては、ドル安進行と米中貿易摩擦緩和期待を背景に、200日移動平均線を上抜ける形となりました。一目均衡表でも三役好転が確認され、強気のシグナルが点灯しています。現在、相場は一時的な踊り場を形成しているものの、過熱感は見られず、急伸後の調整局面にとどまっているとの見方が示されています。

米中貿易摩擦については依然不透明感が残るものの、インドや韓国との貿易交渉には前向きな動きがみられ、全体としてリスク緩和ムードが市場を支えています。来週には米国の個人消費支出（PCE）統計や雇用統計などの重要指標発表が予定されており、これらの結果次第では、早期の金融緩和再開観測が強まる可能性もあります。

ビットコイン相場は、3月初旬に付けた戻り高値である9.5万ドルに迫る勢いを見せており、もしこの水準を明確に突破できれば、ショートポジションの巻き戻しも伴って、心理的節目である10万ドル台への到達が現実味を帯びると予想されています。

（参考）ビットコイン10万ドルも視野、貿易摩擦懸念緩和が支援材料に｜bitbankアナリスト寄稿