ビットコインの市場占有率が60%を超える中、アルトコインの下落が顕著

ビットコインの市場占有率が2月2日に60%を超えました。これは、ドナルド・トランプ米大統領がカナダ、メキシコ、中国からの輸入品に対して新たな関税を課すと発表したことが背景にあります。この関税措置により、投資家はリスク資産から安全資産への資金移動を進め、アルトコインの価格下落が特に顕著となりました。

主要なアルトコインであるイーサリアム（ETH）、リップル（XRP）、ソラナ（SOL）は過去7日間でそれぞれ約9.3%、13.8%、19.3%の下落を記録しています。専門家は、仮想通貨市場の短期的な下落リスクが続く可能性を指摘しており、投資家は慎重な判断が求められます。

トランプ大統領の新たな関税措置は、カナダとメキシコからの輸入品に25%、中国からの輸入品に10%の関税を課すもので、2月4日から発効します。

これに対し、カナダとメキシコは報復関税を検討しており、中国も世界貿易機関（WTO）を通じて異議を申し立てるとともに、他の対抗措置を取る方針を示しています。

この貿易戦争の激化を受け、投資家はインフレの加速と高金利の継続を予測し、リスク資産から米国債などの安全資産へ資金を移す動きを強めています。その結果、アルトコインの下落幅が大きくなり、ビットコインの市場占有率が上昇しています。

著名トレーダーでアナリストのヴァン・ニューナー氏は、米国先物市場の動向に伴い、仮想通貨市場が再び下落する可能性を指摘しています。また、BitMEX共同創業者のアーサー・ヘイズ氏も、トランプ大統領の関税措置により仮想通貨市場の売り圧力が高まると予測しています。

Bitgetリサーチの主席アナリスト、ライアン・リー氏は、ビットコイン価格が短期的に調整する可能性があると述べ、労働市場の指標や米連邦準備制度（FRB）の金融政策が今後のビットコイン価格を決定する主要な要因となると指摘しています。

投資家は、仮想通貨市場の動向を注視し、慎重な判断を行うことが求められます。

（参考）ビットコインのドミナンス、60%台を回復｜アルトコインの大幅下落が要因