ビットコイン9.8万ドルに反発、調整局面の懸念は残る

米国株式市場と暗号資産関連銘柄の動向

24日の米NY株式市場では、ダウ平均株価が前日比+390ドル（+0.91%）の43,297ドル、ナスダック指数が+1.3%の20,031ポイントで取引を終えました。この上昇に伴い、暗号資産関連銘柄も反発。コインベースは前日比+4.2%の279.6ドル、マイクロストラテジーは+7.8%の358.1ドルとなり、日本株市場でもマネックスやメタプラネットが上昇しました。

ビットコインの市場状況とリスク

ビットコイン（BTC）は前日比+4.6%の98,165ドルに達し、92,000ドルのサポートラインを守り抜きました。しかし、過去最高値からの反動安や年末の税金調整売りが影響し、中期的な調整局面の可能性が懸念されています。市場では18日–20日に約20億ドルのロングポジションが清算され、需給の改善が見られるものの、FOMCの金利見通しやFRB議長の発言が引き続きリスク資産に影響を与えています。

著名アナリストのベンジャミン・コーエン氏は、ビットコインが短期的に72,000ドル–80,000ドルのサポートレンジへ調整する可能性を指摘。さらに、過去のトレンドから60,000ドル台まで下落するリスクも視野に入れる必要があると述べています。一方で、2023年8月以降の上昇トレンドが維持されれば、サポートバンドでの買い支えが期待されます。

アルトコイン市場の資金動向

アルトコイン市場ではイーサリアム（ETH）ETFへの資金流入が顕著です。23日時点でETH ETFは1億3,080万ドルの純流入を記録し、ブラックロックのiShares Ethereum Trust（ETHA）が8,950万ドル、フィデリティのEthereum ETF（FETH）が4,640万ドルを集めました。この傾向が続けば、2025年のアルトコインシーズン到来を示唆する可能性があります。

しかし、ETH/BTCの通貨強弱を見ると、機関投資家の影響により年単位での下落傾向が続いています。市場の地合いが回復するまで、過去のアルトシーズンほどの盛り上がりは期待できないとの見方もあります。

今後の市場展望

過去のパターンでは、ビットコインはクリスマスシーズンに利益確定売りが進んだ後、再び上昇基調に転じる傾向が見られます。しかし、米国株式市場の動向に大きく依存する可能性が高いため、リスク管理が重要です。アルトコイン市場での資金流入が続く中、投資家はビットコインとアルトコインの両市場を注視する必要があります。

（参考）ビットコイン9.8万ドルに反発、主要サポート耐え抜くも調整リスクは継続