米政府、12億円相当のビットコインを移動

ブロックチェーン分析企業Arkham Intelligenceによると、米政府はタイ国籍のワンパデット・サエ・ヘン氏から没収したビットコインを移動させました。該当の資産は、過去の投資詐欺スキームに関連し、Binanceのアカウントから押収された97BTCとともに、ドージコイン（DOGE）、イーサリアム（ETH）、カルダノ（ADA）などの仮想通貨も含まれています。資産は2つの異なるウォレットに分割され、少額のビットコインが一方のアドレスに送られ、残りは別のアドレスへ移動されました。

トランプ大統領が3月6日に署名した大統領令では、押収したビットコインを戦略的準備金に組み入れる方針が示されています。これにより、国家のデジタル資産備蓄とは別の形で、長期的な資産として管理される見込みです。財務長官は、政府が保有する仮想通貨の管理方針を決定する権限を持ち、今後の戦略が注目されています。

現在、米政府のビットコイン保有数は約198,012BTCと推定され、その価値は市場価格で約170億ドルに達しています。ボー・ハインズ仮想通貨評議会事務局長は、「かつて政府は約40万BTCを保有していたが、その半数近くを10億ドル未満で売却してしまい、もし保持していれば現在の価値は170億ドルに達していた」と、過去の政策判断を指摘しました。

昨年12月には、バイデン政権が約19億ドル相当のビットコインをCoinbase Prime口座へ移動させるなど、政府による仮想通貨の管理方針には変化が見られます。今回の移動の正確な目的は明らかになっていませんが、大統領令が30日以内に政府保有の仮想通貨資産の見直しを求めていることから、戦略的準備金の管理強化に向けた動きの一環とみられています。

（参考）米政府、12億円相当のビットコイン移動　戦略的準備金に向けた準備か