シンガポール政府、予測市場プラットフォームへの規制を強化

Polymarketとは？

Polymarketは、ユーザーがスポーツや政治などさまざまなトピックにおける将来の出来事を予測し、それに基づいて賭けを行えるプラットフォームです。ステーブルコインUSDCなどの暗号資産を用いて賭けが行われる点が特徴で、特に2024年の米国大統領選に関連する賭けは注目を集めていました。

シンガポール内務省によると、同国では昨年12月以降、約145,000件もの違法ギャンブル取引をブロックし、その総額は約3,700万ドル（約58億円）に上ります。また、3,800以上の違法ギャンブルサイトへのアクセスも制限されており、Polymarketもその対象となりました。

規制の背景と警告

シンガポールの賭博規制局は、国民が違法ギャンブルサイトにアクセスした場合、「非合法のサイトにアクセスしている」との通知を表示する仕組みを導入。さらに、無認可の事業者を利用した場合、1万ドルの罰金、6か月の懲役、またはその両方が科される可能性があると警告しています。同局は、シンガポールで唯一認可されているオンライン賭博プロバイダーが「Singapore Pools」であることも強調しました。

他国の対応状況

Polymarketに対する規制はシンガポールだけに留まりません。米国やフランス、台湾でもアクセスが制限されており、一部の国では法的措置も進められています。たとえば、米国では2024年の大統領選後、連邦捜査局（FBI）がPolymarketのCEO宅を訪問し、電子機器を押収する事態となりました。

プラットフォームの擁護者たち

一方で、イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は、Polymarketを単なるギャンブルと見なすことに異議を唱えています。ブテリン氏は、同プラットフォームが予測市場としての価値を持つと主張し、多様な情報収集や意見形成の場としての役割を強調しました。

Polymarketの月次取引高は、米大統領選のあった2024年11月に約23億ドル（約3,630億円）を記録するなど、その影響力は無視できません。今後も各国での規制強化が進む中、同プラットフォームの動向が注目されます。

（参考）シンガポール政府、予測市場ポリマーケットへのアクセス制限