SEC、コインベースへの訴訟取り下げを決定—仮想通貨業界に追い風

SECは2023年6月、コインベースが未登録の証券取引所、ブローカー、清算機関として運営していると主張し、訴訟を提起していました。しかし、トランプ大統領の再選後、SECの姿勢は大きく変化し、仮想通貨業界に対する規制が緩和される傾向が見られます。具体的には、SECは仮想通貨関連の会計ガイダンスを撤回し、規制の再構築を目指す専門チームを設立するなど、業界に友好的な政策を打ち出しています。

コインベースのブライアン・アームストロング最高経営責任者（CEO）は、今回の決定を歓迎し、「これは非常に理にかなった結果だ」と述べています。また、同社はブログで「これは単にコインベースの勝利ではなく、当社の顧客、米国、そして個人の自由のための勝利だ」と強調しました。さらに、アームストロング氏は、SECとの法的闘争を続けた理由として、SECの主張が法的に誤っていたこと、要求に屈すれば米国の仮想通貨業界が「締め出される」可能性があったこと、そして顧客と業界のために正しい行動を取る必要があったことを挙げています。

今回の訴訟取り下げは、仮想通貨業界全体にとって重要な転換点となる可能性があります。SECの新たなアプローチにより、他の仮想通貨プラットフォームや関連企業も恩恵を受けることが期待されています。しかし、コインベースのグレワル氏は「まだやるべきことがある」と述べ、将来的な同様の訴訟を避けるためには明確な立法が不可欠であると警告しています。同氏は「私たちは業界が米国で真に繁栄するために必要な明確なルールを持つまで戦い続ける。協力が鍵となるだろう。議会とSECスタッフと協力して次の進展フェーズに取り組むことを楽しみにしている」と述べています。

このニュースを受け、コインベースの株価は一時的に上昇しましたが、その後、他の市場要因の影響を受けて下落しました。今後、SECの正式な承認が得られ次第、訴訟は正式に取り下げられる見込みです。

（参考）SECがコインベースに対する訴訟を取り下げへ、仮想通貨業界に大きな勝利