XRPに下落リスク浮上、テクニカル分析が警告

XRPは、ここ数ヶ月の市場の混乱を背景に、4ヶ月ぶりの安値を更新した後に反発を見せましたが、専門家はこの上昇が一時的なものであるとみています。価格チャートにおいては「逆カップ＆ハンドル」と呼ばれる弱気の反転パターンが進行中で、今後数週間以内に価格が大きく下落する可能性があると分析されています。

この「逆カップ＆ハンドル」は、価格が一度下落した後に短期間の横ばいを挟み、再びネックラインとされる水準を割り込むことで下値目標が決まる形状です。XRPの場合、このネックラインは約2ドルとされ、明確にこの水準を割り込めば、1.24ドル付近まで下落するリスクが生じると見られています。

加えて、XRPの長期移動平均線である200-3日指数平滑移動平均線は1.28ドル近辺に位置しており、過去の高値とも一致することから、この価格帯が今後のサポートラインとして意識される可能性があります。

さらに、著名トレーダーであるピーター・ブラント氏も、XRPの時価総額が50％減少する可能性を指摘しており、市場には慎重な姿勢が広がっています。

オンチェーンデータも弱気なシグナルを示しています。過去のサイクルを振り返ると、XRPは高騰した後に「実現価格」と呼ばれる指標まで大きく調整する傾向があります。実現価格は、保有者が最後にトークンを移動させた平均コストを示すもので、現在は1ドル前後となっており、現行価格から50％近い下落余地があることを示唆しています。

また、XRPの実現価格に近い水準として、200週間の移動平均線（EMA）が0.81ドル付近に位置しており、こちらも潜在的なターゲットとして注目されています。現在の価格水準と照らし合わせると、いずれの指標も大幅な下落の可能性を裏付けているといえるでしょう。

注目すべきは、現在XRPを保有しているアドレスのうち約80％が含み益を抱えているという事実です。これは過去の相場サイクルにおいて価格が下落へ転じる直前にも見られた現象であり、大規模な利確売りが始まる前兆であるとの見方もあります。

さらに、予測市場のデータもXRPの強気シナリオに対して否定的な見通しを示しています。分散型予測市場Polymarketによれば、XRPが2026年までに過去最高値である3.55ドルを超える可能性はわずか35％にまで低下しています。これは3月時点の見通しから25ポイントの減少となっており、市場心理の冷え込みを示す形となりました。

このような悲観的な見方の背景には、米国の政治動向が影響を与えている可能性があります。トランプ前大統領の関税政策再導入により、世界的な貿易摩擦への懸念が強まり、投資家の間ではリスク回避の動きが活発になっているのです。

総合的に見て、テクニカル分析とオンチェーンデータの双方がXRPの価格下落を示唆しており、今後数週間の値動きには特に注目が集まるといえるでしょう。XRPを保有している投資家にとっては、冷静な判断と継続的な情報収集が一層重要な局面を迎えています。

（参考）XRPに40〜50％の調整リスク　逆カップ＆ハンドル形成とオンチェーン分析が警告