EVM互換L1「Berachain」、2月6日にメインネット開始へ

EVM互換の独自コンセンサスを採用

Berachainは、Cosmos SDK上に構築されたEVM（イーサリアム仮想マシン）互換のレイヤー1ブロックチェーンです。その特徴として、コンセンサスメカニズムに独自の「PoL（プルーフ・オブ・リクイディティ：流動性の証明）」を採用しています。従来のPoS（プルーフ・オブ・ステーク）とは異なり、ユーザーはステーキングによる報酬ではなく、流動性を提供することでステーキングトークン「BGT」を獲得できる仕組みです。このBGTは市場での購入ができず、Berachain上での流動性提供を通じてのみ入手可能となっています。

Berachainの開発は2021年後半に始まり、2024年1月にはパブリックテストネット「Artio」が公開されました。公開直後には1日あたり13,000以上のアクティブアドレスが記録され、518万以上のウォレットがプロトコルとやり取りを行うなど、早くも高い関心を集めています。また、2023年4月には4,200万ドル（約64.6億円）、2024年4月には1億ドル（約153億円）の資金調達を実施し、順調な成長を遂げています。

ローンチ前の流動性確保策

メインネットのローンチに先駆け、1月28日には流動性プラットフォーム「Boyco」が稼働を開始しました。このプラットフォームは、イーサリアム上の流動性市場「Royco」をBerachain向けにカスタマイズしたもので、EnsoやLayerZeroとの協力によって構築されています。Boycoの役割は、分散型アプリ（dApp）が初日から十分な流動性を確保できるよう支援することであり、資産を預け入れる「金庫（Vault）」として機能します。これにより、メインネット開始時にはすでに流動性が確保された状態で運用が可能となります。Berachainのコミュニティ「Honey Jar」のデータによると、Boycoを含むBerachainの金庫には、33.2億ドル（約5,100億円）がロックされているとのことです。

Berachainのトークンエコシステム

Berachainでは、3種類のトークンが活用されます。

• BERA：ガストークン

• HONEY：米ドル建のステーブルコイン

• BGT：譲渡不可能なガバナンストークン

BGTは、Berachainの分散型取引所（DEX）やステーブルコイン融資プラットフォームへの流動性提供を通じて獲得できます。さらに、BGTをバーンすることでBERAトークンと交換できるほか、バリデーターに委任することでHONEYの手数料を得ることも可能です。この仕組みにより、ユーザーは流動性を提供しながらネットワークのセキュリティ強化に貢献できるようになっています。

Berachainの起源はNFTプロジェクト「Bong Bears」に遡ります。NFT発行をきっかけに優秀なDeFi（分散型金融）の開発者が集まり、新たなブロックチェーン設計を模索する中で誕生したプロジェクトであり、すでに熱心な支持者と活発なコミュニティを有しています。

メインネットのローンチを目前に控え、Berachainがどのような成長を遂げるのか、注目が集まります。

（参考）EVM互換L1「Berachain」、6日にメインネットに　エアドロップ予定など