ブラジルが仮想通貨課税制度を改正へ—規制強化の動き

仮想通貨課税制度の刷新

ブラジルの連邦歳入庁は2025年初頭に、仮想通貨取引の課税方法を見直す計画を発表しました。この改正案は、仮想通貨市場の成長に伴う規制強化の一環と位置づけられています。具体的な変更点は未公表ですが、市場からの提案を基に、適切な基準の策定が進められる見通しです。

詳細な背景と計画の概要

ブラジルの連邦歳入庁は、2024年11月から12月にかけて公開協議を実施し、24件の提案を受け取りました。これらには、仮想通貨企業からの意見も含まれるとみられ、歳入庁はこうした協力を「市場の支援」と位置づけています。また、新しい課税方式では、仮想通貨トレーダーに対し「DeCripto」という形式で年次納税申告書の提出が義務付けられる見込みです。加えて、仮想通貨関連の脱税防止に向けた執行措置の強化も検討されています。

現在の税制では、仮想通貨取引額が500万レアル（約1.3億円）未満の場合15％、3,000万レアル（約8億円）を超える場合22.5％の課税が行われています。一方、今回の改正案では、特定の条件下で税率が緩和される可能性も示唆されています。

他国の事例と比較

仮想通貨課税の緩和策として注目されるのはチェコ共和国の例です。同国では、3年以上保有した仮想通貨の売却益に対する課税免除が昨年12月に可決されました。チェコのペトル•フィアラ首相は、この措置を“市民生活の改善と最新技術の支援”と位置づけています。

ブラジルの仮想通貨市場の現状

ブラジルは仮想通貨投資が盛んな国の一つであり、同国の証券委員会（CVM）は、昨年8月にソラナ（SOL）現物ETFを世界で初めて承認しました。また、CVMが実施した調査では、ブラジルの個人投資家の資金のうち、7%から35%が仮想通貨に割り当てられていることが明らかになっています。

今後の展望

仮想通貨取引に対する課税方法の変更は、ブラジルの仮想通貨市場に大きな影響を与える可能性があります。市場の成長を促進しながらも、規制強化とのバランスをどのように取るのかが注目されます。

（参考）ブラジル規制当局、仮想通貨キャピタルゲインへの課税方法を変更へ