イザカヤ編集部
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2024.12.28
仮想通貨
2022年2月に発生したWormholeのハッキング事件は、暗号資産業界に衝撃を与えました。この事件では、多額の仮想通貨が不正に奪われました。本記事では、ハッキングの概要や原因、被害額の詳細、そしてハッキング被害を防ぐための方法についてわかりやすく解説します。仮想通貨を利用する際に知っておくべき重要なポイントをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
まずは、Wormholeハッキングの概要について解説いたします。
Wormholeとは?
ハッキングの発生日と経緯
流出した資金の規模
いつどのくらいのハッキング被害が起きたのでしょうか。
Wormholeは、異なるブロックチェーン間でトークンや資産を移動させるためのクロスチェーンプロトコルです。イーサリアム、ソラナ、バイナンス・スマート・チェーン(現在のBNB Chain)など、複数のブロックチェーンをつなぐことで、ユーザーが相互運用性を活用しやすくする目的で開発されました。このプロトコルは、スマートコントラクトを使用して資産をロックし、その分の代替トークンを他のブロックチェーン上で発行する仕組みを持っています。これにより、ユーザーは各ブロックチェーンの特性を活かした運用が可能になります。
しかし、その複雑性とセキュリティの要求の高さゆえに、脆弱性が生じやすいというリスクからハッカーに狙われました。
Wormholeのハッキング事件は2022年2月2日に発生しました。この事件では、ハッカーがWormholeのスマートコントラクトの脆弱性を突き、イーサリアムとソラナ間のブリッジ機能を標的としました。具体的には、ハッカーはWormholeのスマートコントラクトの署名検証プロセスを悪用して不正に資産をミント(新規発行)しました。
ハッキングのプロセスは次のような流れでした。
ハッカーが偽のトランザクションを作成。
スマートコントラクトの検証を回避する形で署名を通過させる。
Ethereumネットワーク上で大量のETH(イーサ)を不正にミント。
このハッキングにより、システムにロックされていた資産が不正に引き出され、多くのユーザーが被害に遭いました。
この事件で流出した資金の総額は、およそ12万枚のETHに相当します。これは当時の市場価値で約3億2,500万ドル(約370億円)にも上り、DeFi(分散型金融)業界で発生した中でも特に大規模なハッキング事件の一つとして知られています。
流出した資金の一部はハッカーのウォレットに送金され、その後、さまざまな手法で追跡を回避する試みが行われました。一方で、セキュリティ企業やブロックチェーンの分析チームは、資金の流れを追跡し、ハッカー特定に向けた取り組みを行いましたが、完全な回収には至っていません。
次に、Wormholeのハッキングの原因について解説いたします。
セキュリティ体制
スマートコントラクトの脆弱性
それぞれ解説していきます。
Wormholeのセキュリティ体制には、いくつかの課題がありました。特に、スマートコントラクトのコードの監査やテストが不十分だった点が指摘されています。DeFiプロトコルは高度なセキュリティ対策を必要としますが、急速な市場の成長に伴い、開発スピードが優先され、セキュリティ面が軽視されるケースが増えています。
Wormholeのようなブリッジプロトコルは、その性質上、複数のブロックチェーン間の資産を扱うため、セキュリティの不備がハッキングされる原因となりました。事前のセキュリティ対策が必須ですが、この点で十分な対応が取られていなかったと考えられます。
事件の原因は、スマートコントラクトの署名検証プロセスに存在していたバグから起きました。この脆弱性を利用することで、ハッカーは偽のトランザクションを正規のものとしてシステムに認識させることができました。
スマートコントラクトのコードは公開されていることが多く、ハッカーはそのコードを分析して弱点を見つけることができます。今回のケースでは、署名の検証手順において正確なチェックが行われていなかったことから、ハッキングされました。事前に厳格なコードレビューや第三者による監査が行われていれば、この脆弱性は防げた可能性があります。
ここからは、Wormholeのハッキング後の対応について解説いたします。
ハッキング後の復旧措置
セキュリティ改善への取り組み
仮想通貨市場全体への影響
ハッキング後は、どのような対応をしたのでしょうか。
Wormhole運営チームは、ハッキング発生後すぐにシステムを停止し、被害の拡大を防ぐための緊急措置を講じました。また、流出した資金の補填のため、プロジェクトを支援する投資会社が12万ETHを補充し、ユーザーへの損失補填を行いました。
この事件後、運営チームはセキュリティ体制の見直しを行い、さらなる対策を講じました。
ハッキング事件を受けて、Wormholeはセキュリティ強化に向けた以下のような施策を実施しました。
外部セキュリティ企業によるコード監査の実施。
スマートコントラクトの署名検証プロセスの見直し。
ホワイトハッカーによるバグ報奨金プログラムの導入。
これらの取り組みによって、Wormholeは再発防止に努め、プロトコルの信頼性を向上させる努力を続けています。
この事件は、DeFi全体に大きな影響を与えました。特に、クロスチェーンプロトコルに対する信頼性が揺らぎ、多くのプロジェクトがセキュリティの強化を行いました。また、規制当局や投資家の注目も集まり、業界全体でのセキュリティ対策の重要性が再認識されるきっかけとなりました。
最後に、個人で行うハッキング被害を抑える方法について解説いたします。
2段階認証を活用する
不審なリンクやメールにアクセスしない
複雑で強力なパスワードを設定する
第三者に秘密鍵を知られないようにする
これから仮想通貨を始める方は、ぜひ上記の対策を行いましょう。
個人のセキュリティ対策として、2段階認証(2FA)の導入は非常に有効です。2段階認証を使用することで、パスワードだけでは不十分な場合でも、スマホや認証アプリを使用して追加の認証プロセスを加えることができます。これにより、不正アクセスのリスクを大幅に減らすことが可能です。
近年のハッキングの多くはフィッシング詐欺を介したものが多いです。第一に、不審なリンクやメールを開かないことがハッキング被害を防ぐ大前提です。また、公式サイトのURLやメールアドレスを確認し、不審な点があればアクセスを控えることが重要です。
簡単に推測されるパスワードは、ハッキングされやすいです。ランダムな文字列や記号、数字を組み合わせた強力なパスワードを設定することで、ハッカーによる不正アクセスを防ぐことができます。また、パスワードマネージャーを活用することで、複数の強力なパスワードを安全に管理することが可能です。
仮想通貨のウォレットを利用する場合、秘密鍵の管理が最も重要です。秘密鍵は絶対に第三者に共有せず、オフライン環境で安全に保管することを徹底しましょう。ハードウェアウォレットを使用することで、秘密鍵の漏洩リスクをさらに低減できます。
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