ワールドコイン、認証ユーザーが世界で1000万人突破

人間認証とデジタルIDの役割

ワールドコインは、人間であることを証明する「ワールドID」と、それに紐づく暗号資産WLDを中心としたエコシステムを構築している。ユーザーは虹彩スキャンを通じて生体認証データを提供し、オンラインで使用可能なデジタルID「ワールドID」を取得する仕組みだ。

また、2023年にはプロジェクト全体を「ワールドネットワーク」として再構築。主要要素として、イーサリアムベースのレイヤー2ブロックチェーン「ワールドチェーン」、AIと人間を区別するためのソリューション「ワールドID」、そして仮想通貨WLDを掲げている。

進化するセキュリティと規制対応

ワールドコインは、セキュリティとプライバシー保護をさらに強化。生体認証データは分散型の「SMPC（セキュアマルチパーティコンピュテーション）」技術を活用し、オープンソース化されたシステムによって匿名性を高めた。これにより、個人データを暗号化し、安全に分割して管理する仕組みを実現している。

こうした取り組みは各国の規制対応にも寄与している。ドイツ当局が求めた生体データ削除命令に対し、同プロジェクトは既存のシステムを変更し、収集済みデータを削除したと説明。GDPR（一般データ保護規則）を完全に遵守していることを強調した。

世界的な拡大と未来の展望

ワールドコインは、昨年12月にアプリ「World App」の累計ダウンロード数が2,000万件を超えたことを報告。さらに、2024年にはオーストリア、ブラジル、マレーシアなどの新たな国々でID認証を開始した。このアプリは虹彩スキャンなしでも仮想通貨ウォレット機能を提供しており、利便性の向上が図られている。

アルトマン氏が描く未来像は、人間認証を基盤としたグローバルネットワークの構築だ。AI技術の進化とともに、デジタル社会での透明性や公平性を実現する鍵として、ワールドコインの成長が期待されている。

（参考）アルトマン氏のワールドコイン、認証ユーザーが世界で1000万人突破