イーサリアムのバーン量が過去最低に

暗号資産イーサリアムのバーン（焼却）量が減少し、過去最低水準に達している。Etherscanのデータによると、3月23日における1日のバーン量は約50ETHまで縮小した。これはブロックチェーン上の取引減少による影響とみられる。

バーンは仮想通貨の供給量を減少させる仕組みであり、価格上昇の要因にもなり得る。イーサリアムは2021年8月に「ロンドン」アップグレードを実施し、取引手数料の一部をバーンする仕組みを導入している。

さらに、アクティブアドレス数も減少傾向にある。3月21日のアクティブアドレス数は36万1,605であり、2024年9月以来の低水準となった。過去最高値は2022年12月9日の142万0,187であり、現在の減少が際立っている。取引手数料の平均額も全体的に低水準で推移している。

イーサリアムは現在も継続的なアップグレードを進めており、資産の総価値（TVL）は市場全体の約50%を占める。今月には、ナスダック上場企業のBioNexus Gene Lab Corp.が、イーサリアムを戦略的財務資産として採用する決定を下している。

一方、レイヤー2の台頭がイーサリアムのエコシステムに影響を与えているとの指摘もある。英国の大手銀行スタンダードチャータードのデジタル資産調査部門責任者ジェフリー・ケンドリック氏は、コインベースのBaseをはじめとするレイヤー2の普及が、メインネットの取引手数料収入を減少させていると分析。同行はこの影響を踏まえ、2025年のイーサリアム価格予測を従来の1万ドルから4,000ドルへと引き下げた。

市場環境が変化する中、イーサリアムの今後の動向が注目される。

（参考）イーサリアム、バーン数量が過去最低水準に　取引減少を指摘する声も