米国がビットコイン保有で世界トップに返り咲き—保有率60%以上を占める

米国機関の保有率が過去最高を記録

オンチェーン分析プラットフォームCryptoQuantのCEO、Ki氏によれば、2024年1月6日時点で、米国機関が保有するビットコイン量は、海外機関の1.65倍に達しました。この比率は、暗号資産マイニング企業、マイクロストラテジー社、ETF、取引所、政府機関などが保有するビットコイン量を比較したもので、過去最高値を更新しました。

2023年時点では海外の保有量が優勢でしたが、2024年に入ると米国の比率が急増。特にドナルド・トランプ氏が大統領再選を果たした2024年9月以降、ビットコイン保有の拡大が顕著になっています。

大統領選後の保有動向と主要プレイヤー

米国では、マイクロストラテジー社が財務戦略の一環としてビットコイン購入を進める一方、マラソンやライオットといったマイニング企業、さらにはテスラ社もビットコイン保有に積極的です。また、米国初の現物ビットコインETFは、立ち上げ直後の活況を経て一時的に落ち着きを見せましたが、大統領選の結果を機に再び注目を集めています。

政府のビットコイン売却と政策論争

一方で、米司法省は違法マーケット“シルクロード”の取り締まりで押収した69,370 BTC（時価約1兆円相当）の売却許可を裁判所から得ました。トランプ前大統領が提案していた政府によるビットコイン備蓄案には賛否が分かれており、バイデン政権が売却を進める動きは、新政権への対抗措置と見る向きもあります。

ビットコイン備蓄案への批判

政府のビットコイン準備金購入案に対しては、経済学者や政策立案者から反対意見が相次いでいます。ジョンズ・ホプキンス大学のスティーブ・ハンケ教授は、ビットコインへの投資は生産性向上に繋がらないとして強く批判。米ニューヨーク連銀の元総裁ビル・ダドリー氏も、不安定で投機的な性質を持つビットコインは政府備蓄には不適切だとの見解を示しています。

今後の展望

米国のビットコイン保有拡大は、国内外の投資家に影響を及ぼすと同時に、規制や政策を巡る議論を活性化させています。暗号資産市場の成長とともに、政府や民間の動きがどのように進化するのか注目が集まります。

（参考）米国機関のビットコイン保有率が過去最高　世界の60％以上に＝CryptoQuant