トランプ関税と中国の報復措置で金融市場が混乱、ビットコインにも影響

先週末、米国の株式市場は大きな打撃を受け、ダウ平均株価は前日比で2,231.07ドル（5.50%）下落し、38,314ドルとなりました。ナスダック株価指数も962.82ポイント（5.82%）下落し、15,587ポイントとなり、記録的な株安となりました。この影響を受け、東京株式市場でも売りが集中し、日経平均株価は一時2900円以上の大幅な下落を見せ、サーキットブレーカーが発動しました。

このような市場の動揺は、米国のトランプ大統領が発表した新たな関税政策と、中国からの報復措置に起因しています。トランプ大統領は、全輸入品に対して10%の基本関税を課すとともに、特定の国に対してさらに高い関税を設定する方針を示しました。中国はこれに反発し、米国からの全輸入品に対して34%の追加関税を課す報復措置を発表し、さらに世界貿易機関（WTO）への提訴も行いました。また、EUも米国からの輸入品に対する報復関税を数日内に発表する見通しであり、貿易戦争が長期化するとの懸念が広がっています。

これらの発表を受けて、米国の株式市場では週間で市場価値が8.2兆ドル消失し、リーマン・ショックを超える規模となりました。この影響を受け、暗号資産市場にも波及し、ビットコイン（BTC）の価格は急落しました。先週末時点では、ビットコインは1BTC＝81,000ドルを下回り、最終的に1BTC＝78,943ドルにまで下落しました。

データ分析企業CryptoQuantのCEOであるKi Young Ju氏は、オンチェーンデータに基づき、ビットコインの強気相場の終息を指摘しています。彼は、過去においてビットコインが10万ドル近くで取引されていた際に、大量の取引が行われたにもかかわらず価格がほとんど動かなかったと分析しており、現在の市場は弱気相場に向かっていると予測しています。さらに、反転には少なくとも6ヶ月の期間が必要で、短期的な反発は考えにくいとの見解を示しました。

（参考）トランプ関税と中国の報復関税で金融市場激震、ビットコイン相場にも波及