仮想通貨市場、全面的な下落—アルトコインの下落が顕著

2025年2月25日、仮想通貨市場は全面的な下落を見せ、特にアルトコインの下落が際立っています。ビットコイン（BTC）は前日比3.7%減の1BTC=92,555ドルとなり、主要なアルトコインも大幅な下落を記録しました。この背景には、インフレ懸念や貿易摩擦の再燃、ハッキング事件など、複数の要因が影響していると考えられます。

ビットコイン（BTC）は前日比3.7%減の1BTC=92,555ドルとなりました。主要なアルトコインも大幅な下落を記録しており、イーサリアム（ETH）は9.7%減、XRPは8.9%減、ソラナ（SOL）は13.4%減、ドージコイン（DOGE）は10.1%減となっています。

この下落の背景には、インフレ懸念による米国株式市場の不安定化や、トランプ大統領がカナダとメキシコからの輸入品に25%の関税を課す方針を示したことが影響しています。さらに、米政府によるビットコイン準備金に関する思惑の後退や、2月21日に発生したBybitのハッキング事件など、複数の要因が重なっています。

先物市場では、8.1億ドル規模のロングポジションが強制清算され、これは今年3番目の規模となります。2月14日には12.1億ドル規模の清算が確認されており、市場の変動性が高まっていることが示されています。

また、BitMEXの創業者であるアーサー・ヘイズ氏は、ブラックロックのビットコインETF（IBIT）を活用した裁定取引戦略について警告を発しています。ヘイズ氏によれば、多くのヘッジファンドがIBITの買いポジションとCME先物のショートポジションを同時に保有しており、ビットコイン価格の下落や現物と先物の価格差が縮小した場合、これらの機関投資家がIBITを売却し、CME先物を買い戻す可能性があると指摘しています。

Bybitは、2月21日に発生したハッキング事件で失われたイーサリアム（ETH）と同等額の準備金をすでに回復したと発表しました。同社のBen Zhou CEOは、顧客資産の100%が確保されていることを強調しています。さらに、Bybitは盗まれた資金の回収に協力した個人に最大10%の報奨金を支払うプログラムを発表しています。

一方、米モンタナ州下院は、ビットコイン準備基金設立を目指すインフレ防止法案を否決しました。賛成41、反対59で否決されたこの法案は、州の一般基金から最大5,000万ドルを特別基金へ移管し、ビットコインに投資する内容でした。この否決により、州政府がビットコインを公的準備金として保有する動きが一つ頓挫したことになります。

これらの要因が重なり、仮想通貨市場は全面的な下落を見せています。投資家は市場の動向を注視し、慎重な判断が求められます。

（参考）仮想通貨市場は全面安、アルトコインの下落率が顕著に