IMF、エルサルバドルのビットコイン政策見直しを要請　融資契約でリスク指摘

エルサルバドルは2021年9月、世界で初めてビットコインを法定通貨として採用し、国際的な注目を集めました。しかし、国際通貨基金（IMF）は同国のビットコイン政策に対し、一貫して懸念を示してきました。2024年12月、エルサルバドルはIMFとの間で14億ドル（約1,540億円）の融資契約を締結しましたが、その条件としてビットコイン政策の見直しが求められました。

IMFは、ビットコインの価格変動性や規制上の不確実性がエルサルバドルの経済安定性にリスクをもたらすと指摘しています。具体的な要請として、民間企業によるビットコインの受け入れを任意とし、公的部門の暗号資産活動を制限することが挙げられています。これを受け、エルサルバドル議会は2025年1月29日にビットコイン法の改正を迅速に承認し、企業のビットコイン受け入れ義務を撤廃しました。

また、IMFはエルサルバドル政府に対し、ビットコイン購入の削減や、ビットコインでの税金支払いの受け入れ停止を求めています。これらの措置は、ビットコインに関連するリスクを軽減し、金融の安定性と消費者保護を確保することを目的としています。

エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領は、ビットコイン導入当初、経済発展と金融包摂の促進を期待していましたが、国民の間でのビットコイン利用は限定的でした。今回の政策見直しにより、エルサルバドルのビットコイン戦略は新たな局面を迎えています。

今後、エルサルバドルがどのようにビットコイン政策を調整し、経済安定化と成長を図るのか、その動向が注目されます。

（参考）IMF、エルサルバドルのビットコイン戦略に制限追加か　融資契約でリスクを指摘