メラニア・トランプ氏が公式ミームコイン「MELANIA」発行、注目集めるも波乱含み

メラニア・トランプ氏が新たに発行した公式ミームコイン「MELANIA」が仮想通貨市場に登場しました。このトークンはソラナのブロックチェーン上で発行され、購入はデビットカードまたは暗号資産を通じて可能です。ローンチ直後には一時14ドルに達したものの、記事執筆時点では8ドル前後で取引されており、価格の変動が続いています。時価総額は約80億ドル（約1.2兆円）に上るとされています。

一方、先行していたドナルド・トランプ氏の公式ミームコイン「TRUMP」は、「MELANIA」のリリース直後から急落しました。TRUMPの価格は約74ドルの高値から約41ドルにまで下落し、45％近い値下がりを記録しています。この動きについて、業界関係者からは「戦略的に未熟」との声が上がっています。

例えば、レイヤー1ブロックチェーン「Monad」のケヴィン・マッコーディック氏は、「TRUMP」トークンの成功が「MELANIA」のリリースによって損なわれたと指摘。また、仮想通貨取引所コインベースのコナー・グローガン氏は、両トークンの運営チームが異なる可能性を示唆しました。TRUMPのプロジェクトはマルチシグウォレットを採用していましたが、「MELANIA」の運営ではそのようなセキュリティが確認されていないことが理由とされています。

さらに、ブロックチェーン分析会社バブルマップスは、「MELANIA」のトークン配分計画に疑念を投げかけています。当初計画では、コミュニティや流動性提供に45％が割り当てられるとされていましたが、実際には単一のウォレットが全トークンの約90％を保有していることが判明しました。この点は市場の信頼性に影響を与える可能性があります。

「MELANIA」トークンは娯楽目的での利用を前提としており、金融商品や投資対象ではないと説明されていますが、短い権利確定期間（vesting period）や初期の「クリフ期間」が懸念材料となっています。今後、両トークンがどのような市場動向を見せるか注目が集まります。

（参考）トランプ夫人の公式ミームコイン「MELANIA」ローンチ　先行していた「TRUMP」は急反落