CircleがIPO申請、評価額は7200億円規模

ステーブルコイン業界の大手企業であるCircle Internet Groupは、2025年5月28日にIPOの実施を正式に発表しました。今回の新規株式公開では、合計2,400万株が市場に放出される予定で、このうち960万株が新規発行、残りの1,440万株は既存の株主によって売却されます。

IPOの想定価格帯は1株あたり24ドルから26ドルとされており、投資家の関心を集める価格水準での公開となります。また、引受業者には360万株分のオーバーアロットメントオプションも設けられています。上場後のティッカーシンボルは「CRCL」で、ニューヨーク証券取引所への上場申請が行われています。

今回のIPOでは、JPモルガン、シティグループ、ゴールドマン・サックスが共同幹事を務め、バークレイズやドイツ銀行なども引受業者として名を連ねています。SECにはすでに関連書類が提出済みですが、現時点では登録はまだ有効化されていない状況です。

Circleは過去数か月にわたり、他社からの買収提案が相次いでいることでも話題となっていました。特に、仮想通貨取引所のCoinbaseやブロックチェーン企業のRipple（リップル）が関心を示しており、4月にはRippleが40〜50億ドル規模での買収提案を行ったと報じられました。

しかし、Circle側は企業価値を最低でも50億ドル（約7,200億円）と評価しており、Rippleの提示額は評価に見合わないとして拒否された模様です。このような経緯もあり、CircleのIPOは単なる資金調達の枠を超え、同社の独立性や今後の戦略を占う重要な一歩として受け止められています。

今後のSECの判断や市場の反応次第では、ステーブルコイン市場全体にも大きな影響を与える可能性があり、Circleの動向は今後も注視されることになりそうです。

（参考）IPO発表、ステーブルコイン大手Circle