ビットコイン急落、米国金融動向が影響

ビットコインは1月8日時点で94,300ドルと前日比2.6%の下落を記録しました。一時92,500ドルのサポートラインまで下落したものの、その後反発を見せましたが、売り優勢の局面が続いています。

デリバティブ市場では、過去2日間で約9億ドル（1,400億円）相当のロングポジションが強制清算されました。クリプトアナリストの仮想NISHI氏は、「FOMC議事録公開後、一時的に現物市場で買いが入ったものの、依然として売りが優勢だ」と分析。また、翌日に予定されている雇用統計発表について「結果次第で金利見通しが変化し、暗号資産市場に再び波及する可能性がある」と述べました。

米国金融市場では、米国債利回りが上昇し、安全資産である米国債への投資が活発化。一方で、リスク資産である株式や暗号資産から資金が流出する状況が見られます。さらに、ドル指数（DXY）は108.9と高水準に達し、ドル高環境下でビットコインを含むリスク資産の下落圧力が強まっています。

一方、ビットコイン市場では、マクロ経済環境が厳しい中でも価格が予想以上に堅調に推移している点が注目されています。アナリストのJamie1 Coutts氏は、「市場の基盤が強固であり、FRBの動向に対する期待感が価格を支えている」とコメント。今後の見通しについても、「市場流動性の増加により、半年後には価格上昇が期待できる」としています。

また、米司法省（DOJ）が過去に押収した約69,000BTCの売却許可を取得したとの報道もあり、売却のタイミングや市場への影響が注目されています。この件について、DOJは「価格変動性を考慮した手続き」として、今後の対応を進める方針を示しました。

ビットコイン市場は、米国債利回りやドル指数の動向と密接に連動しながらも、独自の成長要因を持つ複雑な局面にあります。特に、2024年以降のビットコインETF承認の可能性などが市場に与える影響は、長期的な視点での注目材料となりそうです。

（参考）ビットコイン続落、米国債利回りやドル指数が上昇