フランス国有投資銀行、40億円規模の仮想通貨ファンド設立

フランス国有投資銀行Bpifranceは3月27日、デジタル資産市場の発展を目的とした新たな投資ファンドの設立を発表した。このファンドの総額は2500万ユーロ（約40億円）に及び、フランス国内のブロックチェーン関連プロジェクトを対象とする。

Bpifranceはこれまでに、ブロックチェーン分野の200以上のスタートアップに対し、累計1億5000万ユーロの投資を実施しており、業界支援に積極的な金融機関として知られている。今回の新たな取り組みも、国内の仮想通貨エコシステムを一層強化する狙いがある。

この投資ファンドは、分散型金融（DeFi）、物理的ネットワーク、トークン化技術、（再）ステーキング、レイヤー1-3プロトコル、人工知能、アイデンティティ認証などの分野に焦点を当てている。Bpifranceは、直接的な資本投資のほか、他のファンドを通じた間接的な投資も計画しており、投資先には自身の2倍以上の資金を国内市場に再投資することを求める方針である。

Bpifranceの副社長であるアルノー・コドゥー氏は、「この投資戦略は、欧州の規制環境のもとでデジタル資産経済を支援し、当社のコミットメントを再確認するものだ」と述べた。Bpifranceはこれまでも、Ledger（ハードウェアウォレットメーカー）、ACINQ、Morphoなど、ブロックチェーン関連企業への投資実績を持つ。

さらに、フランスのクララ・シャパズAI・デジタル担当大臣は、「Bpifranceのこの取り組みは、フランスが新興技術分野の先駆者となる意志を示している」と評価。公共および民間の投資家の積極的な関与が、フランスのデジタル資産市場の競争力を高める鍵になると述べた。

（参考）フランス国有投資銀行、40億円規模の仮想通貨ファンドを設立