ビットコイン急落、FOMC議事録発表に市場注視

急落の背景と市場状況

1月8日午前7時時点、ビットコインはドルベースで約9万7千ドル付近を推移しています。24時間以内での100万円幅を超える下落の要因として、米国債10年物国債利回りの急上昇が挙げられます。この利回りは1月7日の入札で一時4.69%を記録し、昨年5月以来の高水準に達しました。これにより投資家のリスク回避姿勢が強まり、暗号資産市場全体に売り圧力が広がる結果となりました。

現物市場においても成行売りが相次ぎ、ビットコインの流動性は著しく低下。オーダーブックを分析すると、価格の上下どちらの水準でもサポートとなる注文が乏しい状態が見て取れます。このような流動性の低さは、価格変動の激しさを助長し、さらなる急変動を引き起こす可能性があります。

FOMC議事録に注目

今後の市場動向において、1月9日に予定されているFOMC（米連邦公開市場委員会）の12月議事録公表が重要な焦点となります。12月のFOMCでは、インフレ懸念が根強いことを背景に、2025年の利下げ回数予測が引き下げられ、高金利政策の継続が示唆されました。

過去の例からも、FOMC議事録の公表時にはビットコインが下落するケースが多く見られます。今回は特に、米国市場が休場中での発表となるため、出来高の少ない「薄商い」の状況でボラティリティが一段と高まるリスクがあります。

今後の見通し

市場の不確実性が高まる中、投資家は慎重な姿勢が求められます。FOMC議事録の内容次第では、金利政策に対する市場の期待が変化し、暗号資産市場のさらなる波乱要因となる可能性があります。流動性の低下が続く中での取引では、一層の注意が必要です。

（参考）ビットコイン100万円幅急落、金利上昇とFOMC議事録に注目｜仮想NISHI