ドイツ中央銀行に仮想通貨導入提案 リントナー元財務相が発言

仮想通貨を外貨準備に

ドイツの経済紙「Handelsblatt」によると、リントナー氏は仮想通貨を外貨準備の一部に加える可能性について強い関心を示しました。米国では、次期トランプ政権がビットコインを含む仮想通貨に積極的な政策を進めており、リントナー氏はこれが世界的な影響を与えると指摘しています。

彼は「米国はドルに加え、仮想通貨でも主導的な地位を確立しようとしている」と述べ、欧州がこの動きに遅れをとるべきではないと警鐘を鳴らしました。また、ECBとドイツ連邦銀行が独立性を保ちながらも、フランクフルトを中心に仮想通貨を準備資産として活用する可能性を模索する必要性を強調しました。

リスクとメリットのバランス

仮想通貨導入のリスクについて問われたリントナー氏は、価格変動の懸念を認めつつも、分散型システムが政治的リスクを軽減する点を利点として挙げました。「金などの従来型資産でも価格変動リスクは存在するが、仮想通貨は多様な分散性を備えているため、準備資産の強靭性を高める可能性がある」と述べました。

国際的な動向

一方、米連邦準備制度理事会（FRB）のパウエル議長は「FRBがビットコインを保有することはない」と明言しています。しかし、トランプ次期大統領や共和党議員は戦略的ビットコイン準備金の導入を支持しており、これがリントナー氏の提案に影響を与えていると見られます。

また、日本政府は仮想通貨の準備資産導入に関して「各国の動向を注視しているが、現在のところ議論は初期段階」との公式見解を示しました。

結論

リントナー氏の提案は、仮想通貨が国際金融の一部として認識されつつある現状を反映しています。欧州がこの新しい潮流にどのように対応していくのか、今後の展開が注目されます。

（参考）「仮想通貨をドイツ中央銀行の外貨準備に」リントナー元財務相が提案