ビットコイン急落、市場心理は極度の恐怖に　3日間で約3540億円のロスカット発生

暗号資産市場でビットコイン（BTC）が前日比4.9%下落し、1BTC=84,880ドルとなりました。200日移動平均線で一時的に下げ止まりましたが、8万ドル台は取引量が少なく、次の主要サポートラインは72,000ドル付近とされています。

先物市場では、23日に8.15億ドル、24日に9.47億ドル、25日に6.07億ドルと、3日間で計23.7億ドル（約3540億円）のロングポジションが強制清算されました。

データ分析企業CryptoQuantのCEO、Ki Young Ju氏によれば、米国の取引所コインベースで大口投資家の動きがビットコインの価格に影響を与えているとのことです。コインベースでのビットコイン現物取引シェアは過去7日間で約30%急増し、特に2月中旬以降、この傾向が顕著です。また、コインベースの取引価格が他の主要取引所と比較して割安となる「コインベースプレミアム指数」がマイナス圏に突入しており、米国の機関投資家が売り越している可能性を示唆しています。

市場心理を示すCrypto Fear & Greed Indexは、「極度の恐怖」まで悪化し、過去1年間で最も低い水準となりました。先月までは「強欲」領域で楽観的な状況でしたが、先週のBybitの大規模ハッキング事件以降「中立」へ、そして現在は「極度の恐怖」へと大きく変化しました。

このような状況下、トランプ大統領が欧州への関税を決定したとの報道があり、貿易摩擦やインフレ懸念から投資家のリスク回避姿勢が強まっています。関税政策の影響は、実施規模や期間、各国の報復措置の程度によって大きく変わります。歴史的に、貿易摩擦の激化や長期化は経済成長の減速を招き、最終的には株式市場にネガティブな影響を与える傾向があります。

（参考）大幅下落のビットコイン、市場心理指数は総悲観へ　3日間で3500億円相当のロスカット