イーサリアム大型アップグレード「ペクトラ」最終テストへ

イーサリアム財団は14日、次期大型アップグレード「Pectra（ペクトラ）」のテストスケジュールを公開しました。テストネット「Holesky」では日本時間2月25日午前6時55分、「Sepolia」では3月5日午後4時29分に実施される予定です。翌3月6日には開発者会議が開催され、テストが成功すればメインネットの実施時期が決定される見込みです。

Pectraは、多くのイーサリアム改善提案（EIP）を含む大規模なアップグレードです。直近の計画では4月にメインネットでの実装が予定されていました。今回のアップグレードでは、外部アカウント（EOA）の機能拡張によるアカウント抽象化の推進、バリデータの最大ステーク数量の引き上げ（32ETHから2,048ETH）、レイヤー2（L2）を活用した拡張性の向上などが注目されています。

Pectraは、昨年3月に実施された「Dencun（デンクン）」に続くアップグレードで、アカウント機能の強化やバリデータ体験の向上を目的としています。ただし、専門家の間では、Pectraがイーサリアムの供給量増加につながる可能性が指摘されています。Dencunの導入によりL2の手数料バーンが減少したことで、供給量の増加が懸念されており、Pectraがさらに供給を押し上げる可能性があると考えられています。

イーサリアムの価格は需要と供給のバランスで決まるため、インフレへの影響にも注目が集まっています。Pectraの本格実装に向けたテスト結果が市場にどのような影響を与えるか、今後の動向が注視されています。

（参考）イーサリアムの大型アップグレード「ペクトラ」、3月5日に最終テスト実施へ