ワールドコインが200億円調達、WLD急騰

生体認証技術を活用して「人間性の証明」を目指すWorld Networkは、5月21日に200億円分のWLDトークンをアンドリーセン・ホロウィッツ（a16z）とベインキャピタル・クリプトへ販売したことを発表しました。両社はこれまでも同プロジェクトに初期から関わっており、今回の資金流入は、アメリカを中心としたさらなる事業拡大の起爆剤となる見通しです。

World Networkは、ユーザーが虹彩スキャン装置「Orb」を用いて取得する「World ID」を通じて、デジタル空間での本人性を確認できる仕組みを提供しています。現在、2,600万人以上がサービスを利用し、そのうち約1,250万人が生体認証を完了しています。AIの進化により、デジタル世界での「人間らしさ」の証明が難しくなるなか、こうした技術の需要が高まっているとみられます。

2024年以降、同プロジェクトはアメリカ国内の主要都市、アトランタ、オースティン、ロサンゼルス、マイアミ、ナッシュビル、サンフランシスコで本格的な導入を進めています。ユーザーは虹彩情報を用いたWorld IDの登録により、「人間であること」を証明する代わりに、WLDトークンの報酬を受け取ることが可能です。

World Networkは、将来的にプロトコル手数料などを収益源とすることで、自立的な運営を実現する最初の生体認証プロトコルになる可能性があると期待されています。サム・アルトマン氏が率いるこのプロジェクトは、AIと共存する未来において、「誰が人間なのか」という本質的な問いに答えるテクノロジーとして注目を集めています。

（参考）アルトマン氏のワールドコイン、WLD価格10%上昇　新たに200億円調達