リミックスポイント、Omakaseと提携しバリデータ事業参入

株式会社リミックスポイントは、暗号資産のステーキング市場拡大を見据え、国内の実績あるバリデータ事業者Omakaseと業務提携を結びました。これにより、同社は新たにバリデータ事業へと乗り出し、ブロックチェーンインフラの強化に貢献することを目指しています。

Omakaseは、ISO 27001およびSOC 2 Type 2の認証を取得したセキュリティ水準の高い企業で、すでに20以上のブロックチェーンネットワークでノード運用の経験を持っています。この提携により、Omakaseはインフラ整備やシステム運用の支援、リスク管理体制の構築においてリミックスポイントを全面的にサポートする予定です。

多くのブロックチェーンプロジェクトでは、バリデータの分布が欧米に偏っており、地理的な偏在が課題となっています。こうした現状を踏まえ、リミックスポイントは、日本の企業としてネットワークの地域分散化に寄与し、より健全なブロックチェーン環境の構築に貢献する考えです。

ステーキングとは、ユーザーが保有する暗号資産をネットワーク上に預け、ブロックチェーンの維持に参加することで報酬を得る仕組みです。中でもバリデータは、取引データの検証やブロック生成などを担う重要な役割を持ち、ネットワークの安全性を維持する中核となっています。

リミックスポイントは近年、暗号資産関連の投資事業を強化しており、すでに総額100億円相当のデジタル資産を取得しています。今回のバリデータ事業参入も、その戦略の一環として位置づけられており、投資対象の分散化と新たな収益源の確立を目指しています。

今後両社は、日本におけるステーキングサービスの質の向上と、Proof of Stake（PoS）ネットワークにおける地域的バランスの改善を推進し、より安定的で信頼性の高いブロックチェーン運用体制の構築を図ります。

市場動向としても、ステーキングへの注目は高まりを見せています。2025年4月には、香港およびカナダにてステーキング機能付きの現物ETFが認可され、さらに米国でもBitwiseが買収を通じてこの分野へ参入しました。こうした流れは、ステーキングが単なる報酬手段にとどまらず、持続的な収益戦略として広く認識されつつあることを示しています。

特に、イーサリアムやソラナといったPoS型暗号資産は、その時価総額が合計で約34兆円に達しており、ステーキングによる年利もそれぞれ3.5%前後、7%前後と安定した水準を維持しています。バリデータとして運用に参加することで、投資家はネットワークの健全性を支えるだけでなく、社会的意義のある役割も担うことができます。

リミックスポイントは今回の提携について、「日本発の信頼できるバリデータとして、透明性と安全性を提供しつつ、新たな収益機会の創出を目指す」としています。今後の動向が、国内ステーキング市場にどのような影響をもたらすか注目されます。

（参考）リミックスポイントとOmakase、暗号資産バリデータ事業で提携｜ステーキング市場参入へ