ビットコインが史上最高値を更新、年末に20万ドル予測も

暗号資産ビットコイン（BTC）は21日、対ドルで前日比3.7%高となり、1BTCあたり11万500ドルに達しました。これにより、ビットコインは自身の史上最高値を更新し、市場関係者の注目を一身に集めています。

著名トレーダーのピーター・ブラント氏は、この上昇が本格的な強気トレンドの一環であると分析しており、8月までに12万5,000ドルから15万ドルの価格帯に達する可能性を示唆しました。技術的な分析でも、フィボナッチ・エクステンションを用いた予測によって、13万5,000ドルがターゲットとして意識されています。

また、Titan of Crypto氏は、過去に市場の混乱時にもビットコインの積み立てを続けていたと語り、現在も価格上昇の余地は十分にあると強調しています。特に、未だ参入していない投資家が多く存在することが、今後の上昇を後押しする可能性があるとの見方を示しました。

金融機関の予測も強気です。英スタンダード・チャータード銀行のアナリストであるジェフリー・ケンドリック氏は、2025年末までにビットコインの価格が20万ドルに到達する可能性を指摘しました。さらに、投資会社ギャラクシー・デジタルのマイク・ノボグラッツCEOは、ビットコイン市場の急成長について、ブラックロックのラリー・フィンクCEOの「ビットコインは本物の資産」との発言が大きな転機になったと語っています。

ノボグラッツ氏はまた、米国の政権交代による規制方針の変化も、市場への資金流入を後押ししていると述べました。ゲンスラー前SEC委員長の厳格な規制姿勢に代わり、現政権は暗号資産への理解を示す姿勢を見せており、これが投資意欲の拡大につながっていると見られています。

一方、米国の経済状況も市場を取り巻く重要な要素です。高水準の債務比率やドル安の圧力といった財政の不安定要因が、ビットコインのような非中央集権的な資産に資金が流れる一因となっていると指摘されています。特に実質金利が5%に達している現在、従来の安全資産である米国債に対する信頼が揺らぎ始めていることが、代替資産への関心を高めています。

こうした中、米株式市場ではリスク回避の動きが強まり、21日のダウ平均は1.69%、S&P500は1.16%の下落となりました。株式や債券への信頼が揺らぐ中で、ビットコインがインフレや財政リスクに対する新たなヘッジ手段として選ばれ始めている状況です。

加えて、分散型取引所「ハイパーリキッド」における大口投資家、いわゆる“クジラ”の動向も注目を集めています。この投資家は約40万ドルの資金を元手に、レバレッジを活用しておよそ10億ドル相当のポジションを築いたとされ、市場に大きな影響を与えた可能性があります。ハイパーリキッドはArbitrum上で稼働する分散型取引所であり、すべての取引がブロックチェーンに記録されるため、その透明性の高さも投資家心理に一定の影響を与えています。

こうしたさまざまな要因が絡み合い、ビットコインは再び市場の中心へと返り咲いています。今後もその動向から目が離せません。

（参考）ビットコイン史上最高値11万ドル突破、専門家の年末20万ドル予測も