ゲーム特化の新通貨「Game Dollar」年内登場

Playtron社は、2025年の第4四半期に「Game Dollar」と名付けられたゲーム専用のステーブルコインを導入すると発表しました。発表の場となったのは、ドバイで行われたイベント「Sui Basecamp」です。このプロジェクトには、M0およびBridgeからの支援が提供されており、Suiブロックチェーン技術のもとで展開される計画です。

Game Dollarは、アメリカ財務省の短期証券によりその価値が担保される仕組みで、ゲームに関連する購入、定期課金、報酬などのあらゆる取引に利用される想定です。Playtronが開発したLinuxベースのオペレーティングシステム「GameOS」上で動作するため、モバイル端末、PC、コンソールといったプラットフォーム間の垣根を越えたシームレスな体験を実現する狙いもあります。

特に注目されるのは、2025年夏に出荷予定のポータブルゲーム端末「SuiPlay0X1」に搭載される点です。これにより、Suiブロックチェーンを活用したゲームや、Steamなどの既存PCゲームでの決済手段としても機能する予定です。Game Dollarは、ゲームプレイを支える新たな経済基盤としての役割を担う可能性があります。

PlaytronのCEOであるKirt McMaster氏は、海外メディアの取材に対し、「GameOSはこれまでのゲーム体験を再構築し、Game Dollarは5,000億ドル規模に上るグローバルなゲーム経済の中核を担う存在になる」とコメントしています。

また、Game Dollarはゲーム開発者に対して新しい収益モデルとマーケットプレイスを提供するだけでなく、プレイヤーに対してもプログラマブルな報酬制度を導入できる点が特徴です。McMaster氏は、Game Dollarの仕組みについて「スターバックスのデジタルウォレットに似た形で、特定の行動に応じたポイントや報酬の付与が可能になる」と説明しています。

今後は、Playtronが運営するマーケットプレイス「Playtron Select」での決済手段として導入され、さらに他のゲームプラットフォームにも支払いオプションとして広がる構想が進行中です。Game Dollarは単なる通貨としてだけでなく、次世代のゲーム経済を支えるインフラの一端を担う存在になると期待されています。

（参考）ゲーム専用ステーブルコイン『Game Dollar』、Suiで年内リリースへ