英、暗号資産規制枠組みを来年初めに発表へ

イギリス政府は、暗号資産業界に対する規制の枠組みを来年初めに発表する計画を進めています。この動きは、EUの暗号資産市場規制（MiCA）の施行と同時期に展開される見通しです。

チューリップ・シディク財務省経済担当相は、21日に開催されたシティ＆ファイナンシャル・グローバルのトークン化サミットで、ステーブルコインを含む法的規定案について、「来年早期に企業を巻き込みながら進める」との意向を示しました。この発表は、選挙後の新政権が業界に対してどのような方針を取るのかが不透明だった状況を打破するものとされています。

前政権が進めていた金融サービス・市場法では、暗号資産を規制対象に含めるとともに、ステーブルコインやステーキングサービスへの新たな規則を設ける方針が示されていました。新たに誕生した労働党政権も、この方針を継承しつつ、取引プラットフォームや市場操作防止に関する規定を具体化する計画です。

加えて、今回の規制案では、ステーブルコインを国内決済制度の対象から除外するほか、ステーキングを集団投資スキームとして扱うことを回避するための措置が検討されています。

一方、イギリスの主要貿易相手であるEUでは、MiCAの施行が進行中であり、ステーブルコインに関する規制はすでに6月に発効しています。さらに、ライセンスを取得した暗号資産サービスプロバイダーがEU全域で活動できる制度も導入されており、イギリスの規制方針がどのように差別化を図るのかが注目されています。

（参考）英、来年初めに暗号資産とステーブルコインの規制枠組みを起草へ