ビットコイン10万ドル突破後の急落、大規模ロスカット発生

金融市場と仮想通貨の動向

11月5日の米ニューヨーク株式市場では、ダウ平均株価が前日比0.55%下落し44,765ドル、ナスダック指数は0.17%安の19,700ポイントで終了しました。同日、日本の東京株式市場でも日経平均株価が0.9%下落し、39,042円で取引を終えています。

仮想通貨市場では、ビットコインが10万ドルを突破後に急反落し、前日比5.21%安の1BTC=97,360ドルを記録。仮想通貨関連銘柄も下落し、コインベースは3.13%安、マイクロストラテジーは4.82%安となりました。

大規模ロスカットの発生と背景

ビットコインは10万ドル超えを果たし一時104,000ドルに到達しましたが、その後利益確定売りが続き、市場に過熱感が広がりました。CoinGlassのデータによると、先物市場ではロングポジションが8.6億ドル、ショートポジションが2.8億ドル、合計10.4億ドル（約1560億円）規模のロスカットが発生。この規模は2021年12月以来となり、市場の投機的な取引の増加が指摘されています。

また、韓国での戒厳令発動が一部取引所でのフラッシュクラッシュを引き起こし、市場全体に混乱をもたらしました。ただし、急落後には押し目買いが入り、ビットコインは一時的な反発を見せています。

トランプ次期政権と仮想通貨市場への期待

米国では、トランプ次期大統領がデビッド・サックス氏をAI・暗号資産特命官に任命することを発表。このニュースが市場にポジティブな影響を与え、来年1月の政権発足に向けた期待が高まっています。サックス氏は、PayPalの初期メンバーやソラナ（SOL）への投資実績を持つ著名な人物であり、仮想通貨市場における政策展開が注目されています。

注目されるアルトコインの動向

主要アルトコインの中では、スイ（SUI）が大幅に上昇。Metaの元メンバーが開発したレイヤー1ブロックチェーンであるSUIは、高速なトランザクション処理能力が評価され、国内外での支持を拡大しています。さらに、Phantom Walletの対応拡大や、投資信託の提供が、機関投資家からの注目を集めています。

市場は依然として不安定な状況が続いていますが、新しい材料が次々と登場しており、今後の動向が一層注目されます。

（参考）10万ドル達成後のビットコイン急反落、1500億円相当の大規模ロスカットが発生