米財務省、ビットコインを「デジタルゴールド」と位置付け

ビットコインの役割を再評価する財務省の見解

米国財務省債務管理局が公表した定期報告書で、仮想通貨市場が米国経済と金融市場に与える影響が言及されました。その中で、ビットコインは「デジタルゴールド」として認識されており、価値の保存手段としての機能が評価されています。特に分散型金融（DeFi）の分野での活用が注目されており、これがデジタル時代における金の代替となり得ることを示唆しています。

市場の成長と課題

一方で、財務省は仮想通貨市場の成長において投機的関心が大きな役割を果たしている点を指摘。また、米国株式市場や国債市場に比べ、仮想通貨市場の規模は依然として小さく、成長の余地があるとしています。2024年時点で、仮想通貨市場の時価総額は約2.4兆ドルとされ、米国株式市場（約60兆ドル）や国債市場（約6兆ドル）には及ばない規模です。しかし、市場成熟に伴いビットコインの役割がさらに明確になる可能性が示唆されています。

ビットコイン準備金への議論

注目すべきは、国家準備金としてのビットコイン活用案です。米マイクロストラテジー社のマイケル・セイラー会長は、米国が金からビットコインへの転換を図るべきと主張。同氏は、政府がビットコイン供給量の20〜25%を取得すれば、世界の資本が米国に集中し、仮想通貨市場全体が飛躍的に拡大するとしています。

FRBの姿勢と市場への影響

連邦準備制度理事会（FRB）のジェローム・パウエル議長も、ビットコインが金と類似した特性を持つと認めていますが、その高いボラティリティが信頼性に課題を残すとしています。これらの見解は、仮想通貨の可能性と課題の双方を示しており、今後の政策決定に影響を与えると考えられます。

（参考）米財務省、ビットコインは『デジタルゴールド』としての役割があるとの認識示す