タイ、デジタル資産の研究に担うべき　元首相が警告

タイの元首相タクシン・チナワット氏は、ホアヒンのインターコンチネンタルホテルで行った講演の中で、仮想通貨に対するタイ政府の積極的な姿勢を呼びかけました。同氏は、現時点で仮想通貨の購入を推奨しているわけではないものの、世界的に進むデジタル経済の波に乗るため、研究と実験を進める必要があると指摘しています。

「仮想通貨はすでに多種多様な形で存在しており、将来的には国の数よりも多くの通貨が流通する可能性があります」とタクシン氏は述べ、タイ国民がこれらの変化を理解する重要性を強調しました。

タイではすでに2024年8月に証券取引委員会（SEC）が「仮想通貨規制サンドボックス」を発表し、新しい金融技術を法的リスクなく試せる環境を提供しています。また、プアタイ党は景気刺激策の一環としてデジタル現金を住民に配布し、さらに国内大手銀行が仮想通貨の保管サービスを開始するなど、デジタル経済への取り組みが進展しています。

2024年10月には、ミューチュアルファンドやプライベートファンドの仮想通貨投資を可能にする提案がSECにより行われました。これにより、機関投資家を対象とした市場への転換が期待されています。

タクシン氏の発言は、こうした政府の取り組みをさらに発展させる道筋を示唆しており、タイが仮想通貨やデジタル資産を通じて経済の競争力を強化する可能性を強調するものとなりました。

（参考）タイは仮想通貨を研究すべき＝元タイ首相