コインベース、仮想通貨オプション取引所デリビットの買収交渉が最終段階に

米国の主要暗号資産取引所であるコインベースが、ビットコインやイーサリアムのオプション取引で世界最大の取引所であるデリビット（Deribit）の買収交渉を進めていると、関係者の話として報じられました。​両社は既にドバイの規制当局に対して交渉を通知しており、取引が成立すれば、デリビットが保有するドバイのライセンスはコインベースに移行される見込みです。​デリビットの企業価値は40億～50億ドルと推定されていますが、最終合意に至ったかどうかは現時点では不明です。​

コインベースの広報担当者は、「噂や憶測についてはコメントしない」としつつも、「世界の経済的自由を高めるという大胆な使命を持ち、そのロードマップを加速するための機会を常に模索している」と述べています。​今回の買収が実現すれば、コインベースは収益性の高い暗号資産デリバティブ市場へのさらなる事業拡大を果たすことになります。​オプション取引は、価格変動の激しい資産クラスにおいて、投資家がリスクをヘッジする手段として人気が高まっています。​

デリビットは2016年にオランダで設立され、ビットコインをはじめとするさまざまな暗号資産のオプション、先物、現物取引を提供しています。​同社の取引高は昨年ほぼ倍増し、約1.2兆ドルに達しました。​一方、コインベースは米国最大の暗号資産取引所で、2023年にバミューダを拠点とするデリバティブ取引所を立ち上げていますが、これまでは現物取引が主力でした。​

なお、トランプ前大統領の復帰により、暗号資産業界では買収の動きが活発化しています。​トランプ政権は業界支持者を政府の要職に任命し、ビットコイン準備金の創設など、業界に有利な政策を実施しています。​先日も、コインベースの競合であるクラーケンが、小売先物取引プラットフォームのニンジャトレーダーを15億ドルで買収すると発表しました。​

今回のコインベースによるデリビットの買収が実現すれば、暗号資産業界における重要な買収の一つとなり、同社の市場競争力をさらに高めることが期待されます。

（参考）コインベース、世界最大の仮想通貨オプション取引所デリビット買収交渉が最終段階に