フランス当局、バイナンスを捜査 マネロン容疑など

金融犯罪の疑いでバイナンスを調査

フランスのパリ検察庁は、暗号資産取引所バイナンスに対し、マネーロンダリングおよび脱税の疑いで捜査を開始しました。この調査は、金融犯罪を専門とする国家組織犯罪対策司法局（JUNALCO）が担当しており、バイナンスの顧客身元確認義務の遵守状況が主な焦点とされています。

捜査の背景には、バイナンスがフランスで正式にデジタル資産サービスプロバイダーとして登録される前に、インフルエンサーやソーシャルメディアを通じてフランス国内の顧客向けにプロモーションを行っていた疑いがあることも指摘されています。また、バイナンスの利用者から「不正確な情報により損失を被った」との苦情が寄せられていたことも、捜査開始の要因となったようです。

パリ検察庁は2023年6月にも、バイナンスが顧客への違法な勧誘を行い、悪質なマネーロンダリングに関与した可能性があるとして予備捜査を開始していました。

バイナンスは容疑を否定

これに対し、バイナンス側は容疑を全面的に否定。同社の広報担当者は、同社のマネーロンダリング防止対策とコンプライアンスの強化は、米財務省の関連機関や米司法省などの主要当局によってすでに認められていると主張しています。

なお、バイナンスは2023年11月に米司法省との和解の一環として43億ドル（約6,700億円）の罰金を支払っており、同社の元CEOであるCZ氏も法律違反を認め、4か月の懲役刑を受けた過去があります。

フランス当局の捜査が今後どのように進展するのか、バイナンスの動向とともに注目されています。

（参考）フランス当局、バイナンスに司法捜査を開始　マネロンや脱税などの容疑で